北海道はとても広いので、1日フルに楽しむために、深夜のうちの、日が昇る前から車を走らせます。
向かう先は東の果て、知床。
知床が近づいてくると、奇岩が浮かぶ海が見えて来ました。
途中に鹿園がありましたが、道東では野生の鹿をどこでも見ることができます。
知床の中心地を「ウトロ」といいます。
ウトロに入るとすぐに「オシンコシンの滝」が見えて来ます。
「オシンコシンの滝」はアイヌ語で「チャラツセナイ=すべり落ちる滝」と呼ばれ、知床半島最大の名瀑です。
二筋に分かれた流れは優雅なカーブを描いて海へ注ぐため「双美の滝」とも呼ばれています。
ウトロ港に着くとエアーズロックばりに目立つ大岩があります。
「オロンコ岩」と呼ばれるその岩は先住民族「オロッコ族」に由来し、
「そこに座っている岩」を意味するアイヌ語が語源となっているそうです。
垂直に切り立った側壁を階段で登りますが、
かなりの急勾配に息が切れます。
一息つくと、いたるところでウミネコの歓迎を受けました。
ここはウミネコの巣になっているようです。
ようやく階段をのぼりきると、そこには空中庭園があります。
まさに天空の楽園です。
汗ばんだ体に風が気持ちいい。
儚げな花々。
海側の風景も格別。
下を見下ろすと、何かに似た岩がありました。
今にも車が踏みつぶされそうです。
見たまんま、「ゴジラ岩」。
散策を楽しんだら、下に降ります。
更に東の奥へ車を走らせます。
九州では見ることのない白樺の森が広がっていました。
白い幹の森は幻想的で、精霊のささやきが聴こえてきそうです。
ぐんぐん進みます。
この日は6月で真夏のような暑さでしたが、知床の山には雪が残っていました。
風が冷んやりとして来ます。
そしてついた先が「知床峠」。
ウトロと羅臼の中間に位置する峠です。
羅臼岳が堂々とそこにあり、
海の彼方には北方領土「国後島」の島影も見えます。
風が爽やかです。
帰り道に雪解け水の小さな滝を見つけました。
「プユニ岬」は夕日の名所だそうです。
この日の夕日は柔らかく、包み込むように夜の帳が降りてきました。
夕日の名所「サロマ湖」の夕暮れも下に残しておきます。
東の果てから望む夕日は、とても穏やかで、美しかったです。