「神々溝」(かんがみぞ)という場所があると知りました。
出かけてみると、名前からして興味深いその場所は、とても伝えにくい、辺鄙なところにありました。
車で行くことはできますが、離合もままならない細い道に入っていくことになります。
目印や案内板もかなりささやか。
迷い迷ってようやく入り口にたどり着きました。
身の丈ほどもある草の間を抜けると少し開けた場所に出ます。
すでにひと気は無く、それらしい雰囲気が漂ってきました。
左手に折れ、進んでいくとその入り口が姿を現します。
薄暗い岩盤が裂けたその溝は、あまりに唐突に、そして不自然に存在していました。
天孫降臨の際、天津神(あまつかみ)の神々を迎えるため、国津神(くにつかみ)の「猿田彦命」(さるたひこのみこと)が造ったと言われている「神々溝」。
岩の裂け目は確かに高千穂峰に向かっているように見えます。
実際は約2万年前、高千穂峰の大噴火で流れ出た溶岩が冷え固まる過程で割れたものということです。
約1kmある神々溝、途中少し開けた場所まで歩いてみました。
崖の高さは10m。
その迫力と神威を写真では伝えきれないのが残念です。
ここに実際に足を踏み入れなければ、それは伝わらないでしょう。
ネットなどでの情報も少なく、こんなところがまだひっそりあることに驚きです。