大分県某所。
人目を阻むように、その聖地は存在します。
たどり着くことが困難な上、怪我だけではすまないほどの危険を伴う場所にあります。
以後、閲覧は要注意でお願いします。
まず、この場所へ行くには車が必要です。
場所はネットで調べましたが、しかし電波が届かず、途中迷ってしまいました。
なんとかそれらしき、入り口にたどり着きました。
小さな魚が泳ぐ、清らかな川を渡ります。
川が結界になっているのか、橋を渡り終える頃には、空気が変わるのを感じます。
鳥居をくぐり、左側へ向かいました。
そこには岩に食い込むように「熊野神社」がありました。
簡素な社。
しかし異様さを放っています。
次に鳥居のところまで戻り、右の細い道を行くことにします。
この先が最大の難所です。
10mはあろうかという崖を鎖を頼りに登ります。
ほぼ垂直に見える崖から転落すれば、命の保証はありません。
登り終えると何やら仏塔のようなものが見えて来きました。
獣の顎のような洞穴の奥には2つの小さな祠があります。
その参道を取り囲むように積み上げられたのは獣の頭蓋骨です。
多くは鹿、猪の類の頭骨と思われます。
ここに至るまでの険しさとこの場から放たれる異様さは、
ここが決して軽い気持ちで足を踏み入れてはならない聖地であることを物語っています。
ここは猟師(マタギ)の方達の供養の場のようです。
命を殺めることの必要さと大切さを真に知る人たちが、大自然に感謝を捧げる場所なのでしょう。
たとえ菜食主義者であっても、他者の命を奪わなければ生きていけません。
僕らは捕食されるということが滅多にないから忘れてしまいがちですが、
生きるということは他の命を頂くということです。
罪深く生きる僕は、大いなる自然に改めて、祈りのような感謝を捧げました。