「一枚、二枚、さぁ~ん枚、・・・九枚、、、うらめし~ぃ...」
で、有名な皿屋敷伝説、それが福岡の嘉麻市にもあったりします。
のどかな民家の中に、ぽつんとあります。
臼井石竹というところに「清左衛門」という豪農がおりました。
清左衛門はある時、来客に家宝の皿を出してもてなしましたが、しまう段になって十枚の皿が九枚しかないことに気付きます。
清左衛門は女中の「お菊」を疑い、きつく叱り付けます。
あらぬ疑いをかけられた悲しみから、お菊は屋敷内の井戸に身を投げて死んでしまいました。
それからというもの、毎晩、その井戸からは「一枚、二枚、さぁ~ん枚...」というお菊の悲しい声が聞こえ続けたということです。
これがその井戸。
お菊には「三平」という許婚(いいなずけ)がいました。
三平はお菊を弔うため、お菊のお母さんと二人で、四国八十八ヶ所を巡ります。
そんな折、播磨国(兵庫県)でお義母さんが病気で動けなくなってしまいます。
三平は播磨でお義母さんの看病をしていると、若い娘と知り合い、恋仲になってしまいます。
ある日、旅の坊主が通りかかり、娘にお経を唱えました。
すると娘は着物だけを残して、その場で消えてしまったということです。
お菊が三平を慕って、現れていたと云います。
皿屋敷跡にある「お菊大明神」は腰から下の病気に霊験あらたかだと伝わっていました。
皿屋敷跡からほど近い、「永泉寺」に小さなお地蔵さんと並んで、ちいさな石の祠があります。
「お菊」の墓と伝えられています。