神秘の島「壱岐」。
その最果ての場所に地元の漁師も近づかないという場所があります。
「ケンの池」、ネットで偶然見つけた妖しい美しさに魅かれ、ついに訪ねてみました。
荒い岩場をしばし歩きます。
手前のビーチのにぎわいに反して、ひと気はなく荒寥とした空気が漂っています。
ここではしゃべる牛に出会うことがあると云います。
なにやら語りかけて去っていくそうです。
水晶谷と呼ばれる場所も近くにあるそうです。
水晶が取れるらしいが、それはこの地のヌシの所有物で、持ち帰ると不幸があると伝えられます。
大きくそびえた二つの岩山は、まるで異界の門のように見えます。
丘を抜けると、ソレはありました。
かつての壱岐の王、カザハヤ王が財宝を沈めた池。
池をのぞき込むと、その人の欲しいものが池の真ん中に浮かびあがり、取ろうと池に入ると、そのまま引きずり込まれると云います。
この池は底で外洋と繋がっており、引きずり込まれるのだとか。
なので決して池に入ってはいけません。
実際に死者も出ており、地元の漁師でさえ決して入らない池なのです。
すぐ外の外壁は海難死体がたどり着く岸らしいです。
外人の霊がどこともなく現れて、池の中に消えて行くということです。
ちなみにこの霊を見た者は、数日後に死に至る、なんて話もあるそうです。
噴き出す汗は、暑さによるものばかりではありません。
長居はすべきでないと感じました。
うかつな気持ちで近づくべきではない場所でした。
がしかし、この妖しさはどうでしょう。
僕が欲しいものは、確かにそこに浮かび上がっていました。
そのあまりに美しすぎる光景が。