「鎮西大社 諏訪神社」のほか、市内の「松森天満宮」と「伊勢宮」を合わせて「長崎三社」と呼ぶこともあるそうです。
そんな二社を訪ね歩いて見ました。
【森松天満宮】
森松天満宮は諏訪神社からほど近いところにあります。
門を抜けた先には、こんもりとした杜がありました。
森松天満宮はその名の通り、学問の神様「菅原道真」を祀った神社です。
ここは諏訪神社跡地に建てられているそうです。
神社の裏手に続く道があります。
入ってすぐのところにある祓戸は、とても神秘的な空気に満ちていました。
ここで見忘れて欲しくないものが「職人尽」。
本殿を囲む玉垣の上に、浮彫りがなされた板が据えてあります。
その数は30枚に上り、それぞれ様々な職人の姿が彫ってあります。
県の有形文化財となっているこの浮彫りは、1713年の社殿改築時に奉納された、歴史ある大変貴重なものとのことです。
さて本殿をぐるりと回って拝殿前に来てみれば、大きな御神木の存在が改めて気になりました。
社務所で御朱印をいただきながら、「立派な御神木ですね」と感想を述べていると、
「あなたの後ろに樹齢300年の大楠がありますよ」と教えていただきました。
で、拝殿の右裏に抜けてみると、
ありました、でかっ!
枝ぶりがすごいことになっています。
フレームに入りきりません。
教えていただかなかったら、あやうく見過ごすところでした。
夏の夜にはフクロウもやってくるそうですが、
幹にある祠では、猫が休んでいました。
【伊勢宮】
伊勢宮は市電・諏訪神社前駅と中島川の間にありました。
町中にひっそりとあり、こじんまりとした神社です。
しかしここは市民にとても親しまれている由緒ある神社だそうで、
長崎で初めての神前結婚式が行われた神社だということです。
この社は「紀貫之」等が詠んだ「三十六歌仙絵」が有名だそうですが、見当たらないなーと思っていたら、
拝殿の内側の壁に掛かっていました。
拝殿の内側をぐるりと囲むように並べられた三十六歌仙は、
今もわいわいと、歌を詠みあっているかのように賑やかです。
拝殿の横から、本殿裏に抜ける境内に、稲荷社や摂社があります。
そこは町中でありながら、鬱蒼とした杜にあり、
とても神聖な空気が流れています。
そこに建つ本殿も神々しいです。
そこに樹齢300~500年の御神木がありました。
とても古びた大楠ですが、戦禍の中にあって原爆にも負けなかった御神木です。
そう聞くと、その勇姿に力強さを分けてもらえたような気がしました。