「建部大社」(たけべたいしゃ)は近江一ノ宮を誇る聖地です。
昭和20年に発行された日本初の千円札(当時の最高額紙幣)にはこの建部大社の本殿と御祭神の「日本武尊」(やまとたけるのみこと)が描かれています。
それほどの由緒正しい神社ではありますが、場所は住宅地のやや込み入った中にあって、車で行くのに少々迷いました。
やっと辿り着いて、立派なご神門をくぐります。
境内に入ると新しい水琴窟があり、その音がスピーカーで境内中に鳴り響いています。
心地よい音ではありますが、少々過剰演出な気もします。
境内に入ってまず目につくのが「三本杉」。
755年に「大己貴命」(おおなむちのみこと/大国主命と同一神)を権殿へと奉祀された時に一夜にして成長したと伝わります。
立派な拝殿は675年、天武天皇の代に建てられたそうです。
摂社、末社などを横目にぐるり廻ると御本殿があります。
とても神々しい本殿。
ご祭神は「日本武尊」
そして権殿に「大己貴命」。
両殿は双子のように並んで鎮座しています。
参拝後、横に抜けていくと鎌倉時代からある石燈籠があったり、
神宮遥拝所なるものがあります。
神宮遥拝所にはご神鏡が埋め込まれた歪な木があります。
「彌栄(いやさかえ)の御神木」だそうで、かつての御神木の松根のようです。
大野神社は産土神を祀っているようで、地元の方は必ず本殿参拝の後、こちらも参拝するそうです。
本殿右側に戻ってくると、ちょっと気になるものが幾つか。
まずは一角に四角く置かれた白い石。
大きな玉石は「願石」(ねがいいし)と言い、持ち帰って願掛けをする石です。
こぶし大の大きさの石で、結構重さがあります。
小さい方の石は「お食い初め」(おくいそめ)といい生まれた子供の歯固めの石として持ち帰ると一生食べ物には困らないそうです。
そして本殿の裏側に行くと
菊紋壺と
「菊花石」なるものがありました。
普通に参拝しているとまず見忘れてしまうような場所にあるその石は、格子の隙間から覗いてみると、
見事な菊の花の化石のようなものが浮き出た石がありました。
どう見ても化石にしか見えないのですが、神社の方曰く、化石ではなく自然にできた模様ということです。
いや、どう見ても化石にしか。。
奈良の御杖神社でも同じような石を見ました。