真玉海岸を訪れる前に、足を伸ばしたいのが「粟嶋神社」(あわしまじんじゃ)です。
粟嶋神社は真玉海岸から車で5分ほど離れた「恋叶ロード」(こいかなろーど)と呼ばれる国道213号の側にあります。
縁結と書かれた鳥居がありました。
粟嶋公園の敷地内には「恋人の聖地」のモニュメントなどもあります。
粟嶋神社は海に突き出た岩窟にあるといいます。
岬の上に一つ社がありました。
「あわしま様」といえばご祭神は「小彦名命」(すくなひこなのみこと)。
小彦名命は出雲大社のご祭神「大国主命」(おおくにぬしのみこと)の相棒と記紀に記される神です。
岬の先端に降りる道があります。
そこにも社が設けてありました。
江戸時代初期の寛永2年(1625年)に紀州加太神社(式内社名。現 淡嶋神社)を勧請して創建されたと伝わります。
古びた石の賽銭箱があります。
そして社の隣に丸い穴が。
石を積み上げてつくられた穴が印象的です。
旧暦3月3日に粟島様の祭典があり、この日は潮が一番引く日で、竜宮に続いている道が見えると言われています。
伝承では、当地に住んでいた「竹内彦祢」(たけうちひこね)という老人がある時、見知らぬ娘と出会いました。
娘は、「月を眺めていたら身ごもったので神の子だと思う」と言いだし、出産の助力を老人に求めました。
老人の助けがあって娘は無事、玉のような男の子を産みました。
それが「彦火火出見命」だと伝わります。
古事記などでは、彦火火出見命、すなわち「山幸彦は」、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの子であり、やがて竜宮を訪れて「豊玉姫」と子を成します。
この場所はいかにも、竜宮の入り口という雰囲気が漂う、そんな所でした。