福岡の志免方面に車を走らせていると、遠目にも見えてくる異様な存在、「旧志免鉱業所竪坑櫓」(きゅうしめこうぎょうしょたてこうやぐら)がそれです。
志免炭鉱とも呼ばれる糟屋炭田(かすやたんでん)の炭鉱の採掘を行なっていた志免鉱業所の遺構です。
今は公園になった敷地の一部に残されています。
炭坑への入り口も残されています。
昔は近くまで寄れたそうですが、今は柵から中には入れません。
しかし十分な迫力があります。
志免鉱業所竪坑櫓は、旧日本海軍や日本国有鉄道によって運営された「国営炭鉱」志免鉱業所の採炭夫を昇降させ、石炭を搬出するための施設だと云います。
つまり炭鉱用の巨大なエレベーターです。
この櫓の真下にまっすぐ掘られた深さ430mの「竪坑」という穴を使い、地下から石炭を上げたり、坑員を地下まで移動させたりしていたそうです。
地上8階、地下1階のうち、地上1階から5階までを柱のみで構成し、6階以上には壁をつけています。
8階部分には吹き抜けの大空間があり、ケージの巻き上げに使われた1000馬力のモーターが、稼動していたということです。
頂上部には避雷針も立っています。
壁面は老朽化も激しく、今後も朽ちていくことが予想されます。
実際に最近では、コンクリート片が落下してくることがあるらしいので周囲にフェンスができて近づけなくなりました。
軍艦島同様やがて朽ちていく遺産、早めに目にしておいた方が良いのかもしれません。
※この度コメントをいただき、産業考古学会の推薦産業遺産の認定、経済産業省の近代化遺産の認定、文化庁の登録有形文化財の認定が続いた後に文部科学省から重要文化財の指定が行われた大変貴重な建造物で、補修工事も行われたとのことです。
現在は文部科学省が重要文化財へ指定しており、しばらくは安心して、この風貌を眺めることができそうです。
しかし実際に稼働しているその勇姿も、見てみたかったです!
現在は文部科学省が重要文化財へ指定しておりますので,解体を希望してはおりません.35年以上以前でしたら,危険と言うより,解体作業での料金を儲けたい建設会社と,族議院が解体論を主張しておりました.産業考古学会の推薦産業遺産の認定,経済産業省の近代化遺産の認定,文化庁の登録有形文化財の認定が続いた後に,文部科学省から重要文化財の指定が行われた大変貴重な建造物で,補修工事も行われました.
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これは貴重なコメントをありがとうございます!
解体されないと聞いてほっとしました。記事を書き換えないといけませんね。
なるほど、本音は「金」でしたか、人とは淺ましいものです。
保存が決まるまでに、大変な努力とご苦労があったことでしょう、本当によかったです😊
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装飾的でなく完全に機能的な建物であるはずなのに、自ずと機能に基づく美しさが生ずるのが良いです。
まるでモダニズム建築のように入念にデザインされたシンプルさ、
丹下健三とかコルビジェを連想します(ほんとか!w)
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