須佐神社の西3kmほどにある「多倍神社」(たべじんじゃ)を訪れました。
須佐之男の八俣大蛇退治の剣の神霊を祀ると云います。
多倍神社は狭い道を登った所にありました。
レンタカーで行きましたが、あまりに細く、路面も荒かったのでハラハラしました。
もとは須佐神社の摂社でしたが、明治維新の際に独立し村社となったそうです。
八岐大蛇を斬った剣といえば十拳剣(とつかのつるぎ)神剣「天羽々斬」(あめのはばきり)の事です。
八岐大蛇を切り刻んでいると、大蛇の尾の部分に固い感触があり、天羽々斬の刃が欠けてしまいます。
そこから出てきた剣が三種の神器「天叢雲剣」(アメノムラクモノツルギ)です。
天羽々斬本体は、奈良県天理市の石上神宮に祀られています。
多倍神社はその御神霊を祀っているとのことです。
地元では「剣さん」と呼ばれている当社です。
本殿を拝して立ち去ろうとしましたが、後ろに何かあります。
磐座です。
磐座ですが、なんとも異様な形をしています。
生きているような巨岩です。
境内の説明板によると、「首岩」と呼ばれているそうです。
直径約4m高さ2.5m厚さ1.2mの岩が倒れかかるように重なってこの形になっています。
「社説」によるとこの神社より北方500mの所に怪岩奇嶂があり「鬼の窟」というそうです。
そこは天井岩、千畳岩、腰のし岩、地獄岩等があり、往古鬼共の住める巣窟であったと云います。
この鬼の大将を須佐之男命が退治し、その首を埋めその蓋にしたという岩がこの首岩だそうです。
この大岩に触れると血が付くといわれ、今は玉垣で囲まれていると云う事です。
この首岩も出雲に多い、石神信仰の一つだったのでしょう。
玉垣の中には、何やら石碑も立っていました。
須佐神社からほど近いことから、両聖地のつながりも気になるところです。