昔この巨石に目を付けた石屋が石を切り出そうと、石鑿で「コン!」と一打ち…。
すると石の割れ目から、赤い血が流れ出し、傷ついた蛇が顕れた。
驚いた石屋はそのまま逃げ帰ったそうな。
ところがその夜から、ひどい熱と激しい腹痛におそわれ、とうとう亡くなってしもうた。
村人たちは、これを「祟り」と恐れ、敬い、此の石を「神の宿る石」として祀った。
それが「くつな石」である。
「くつな石」の由来は地元の掲示板から引用させていただきました。
そんなくつな石を探して奈良は明日香の山奥へ。
山奥と言っても、有名な石舞台から5分ほど車を走らせた、田園風景広がる丘の上になります。
チェーンを解いて、猪、鹿よけの檻を開いて山の奥へ進みます。
10分も登らないうちに見えてきました。
鳥居が立っています。
「くつな」とは「くちなわ」、つまり「蛇」のことです。
石屋が石鑿(のみ)で打ったということですが、削ったような跡やひび割れが、確かにあります。
山から横に生えているような岩。
木や土と絡み合うように体を横たえて、こちらを覗き込んでいます。
地元では「弁天様」と呼ばれ、雨乞いなども行われるそうです。
蛇、と言うよりは魚類のような様相。
知る人ぞ知る、ミステリースポットでした。