室生龍穴神社

宇陀市の「室生寺」の山奥の地には、巨大な岩山の洞穴に龍神が棲むと云う「吉祥龍穴」がありました。 宇陀市室生に鎮座する「室生寺」は、「女人高野」と呼ばれています。 そのさらに山中へ1kmほど直進した場所に、水を司る龍神を祀…

奥の院・瀧蔵神社

今は昔、長谷の奧に滝蔵と申す神がおりました。 その社の前に、軒続きに長さ三間の檜皮葺の家がありました。 社の方は山あって高い所に建ち、前の家は谷に柱を長く継いで建ててありました。 その谷ははるか深くて、見おろせば目もくら…

長谷寺

奈良県桜井市にある「長谷寺」(はせでら)は、風光明媚な、僕の好きな寺院の一つです。 やや雑然とした、昔ながらの門前街を歩きます。 長谷寺は奈良と伊勢を結ぶ「初瀬街道」を見下ろす初瀬山中腹に伽藍が築かれた、真言宗豊山派の総…

飛鳥川上坐宇須多伎比売命神社

皇極元年(642年)、世には未曾有の日照りが続き、農作物が枯渇した。 人々は飢えに苦しみ、河原や道端にも死骸が溢れていた。 蘇我入鹿は先に雨乞いの儀式を試みたが、少ししか雨が降らない。 ついに皇極天皇が四方拝して雨乞いを…

丹生川上神社(上社・中社・下社)

奈良県吉野郡には「丹生川上神社」(にうかわかみじんじゃ)という名の神社が3つあります。 丹生川上神社は古来、祈雨・止雨をはじめとして天変地異や国家・朝廷の大事に際しては臨時祭を行う重要な神社で、本来は1つの神社しか存在し…

飛鳥坐神社:八雲ニ散ル花 番外

奈良に「飛鳥の神奈備」と称される由緒正しい古社があります。 「飛鳥坐神社」(あすかにいますじんじゃ)とそこは呼ばれています。 明日かと言えば奇岩奇石でも有名ですが、参道入口にある手水舎も独特の形状をしています。 鳥居の手…

三歳社 / 狼神社(出雲):八雲ニ散ル花 番外

大国主・事代主の死をきっかけに畿内・大和へ移住した出雲族の子孫には、故郷へ里帰りした一族もいました。 出雲大社の北奥、八雲山登山口付近に鎮座している「大穴持御子神社」(おおなもちのみこのかみのやしろ)、通称「三歳社」(み…

大名持神社:八雲ニ散ル花 33

「大名持神社」(おおなもちじんじゃ)は、奈良県吉野郡吉野町にある神社で、古代出雲の主王の役職名を正しく伝える数少ない神社のひとつです。 鳥居の前の伊勢街道(169号線)の先には、吉野川が流れています。 重厚な石垣と階段の…

大神神社:八雲ニ散ル花 32

古事記曰く、 大国主神が出雲の美保の岬にいますとき、波間よりミソサザイの皮を衣服にして舟に乗ってくる神がいました。 大国主が供の者に聞かれても、だれもその神の名を知る者はいません。 すると、ヒキガエルが「久延彦が知ってい…

天香久山:八雲ニ散ル花 31

奈良県橿原市にある「天香久山」(あめのかぐやま / 天香具山)は、「畝傍山」、「耳成山」とともに大和三山と呼ばれる聖地です。 標高は152.4メートルで、山というよりは丘と呼ぶにふさわしい、風光明媚な低山となります。 天…

葛木坐火雷神社:八雲ニ散ル花 30

舞台の上で、巫女が舞っている。 大地と空の境界は、闇を押しのけるようにオレンジの帯が光っていた。 夜通し続けられた祭りは、未明を過ぎてクライマックスを迎えていた。 「村雲様、大王のご就任おめでとうございます。」 「うむ、…

蚊屋島神社:八雲ニ散ル花 29

鳥取県西伯郡日吉津村にある「蚊屋島神社」(かやしまじんじゃ)は、斎木雲州氏によると、出雲9代大名持の「鳥鳴海」(トリナルミ)王が祀られた神社であると云うので、訪ねてみました。 松林の風情ある参道を進むと、立派な社殿が建っ…