日御碕神社:八雲ニ散ル花 終

「父上、ご覧ください。ようやく、先祖の神々も、長い旅を終えようとしています。」 そこには日置王と名を変えた太子の御子が、夕日を眺め佇んでいた。 … 都落ちをした太子の御子「日奉王」は、西出雲の神門郡の郷家に着いた。 旧西…

叡福寺:八雲ニ散ル花 85

尾治大王の皇女「伊那部姫」は、上宮法王の元に嫁いだ。 大王は法王と血縁で結び、和睦したいと考えていた。 斑鳩宮の東方には、法王の母君「穴穂部間人姫」の住む中宮がある。 間人姫は、用明大王の没後、多米王と再婚したが、彼とと…

法隆寺:八雲ニ散ル花 83

推古8年、女帝は、大臣の石川麻古を呼んで告げた。 「息子の尾張皇子が成人したら、次の大王に任命します」 「ちょっと待ってください、先に上宮太子を次の大王にすると約束したではないですか」 大臣は驚いて反対した。 女帝は冷た…