すっかり山形の魅力に取り憑かれた僕は、4回目の旅のこの日、運良く羽黒山の五重塔ライトアップに出かけることができました。
19:00頃、羽黒山参道口にやって来ました。
「国宝羽黒山五重塔ライトアップ」は、2018年度は7月14日(土)から10月28日(日)までの土日祝を含んだ39日間限定で行われています。
「運が良かった」というのも、このイベントは基本土日、それと祝日にしか行われてなく、週末に休みを取ることができない僕には無縁のものだと諦めていたからです。
月火の1泊で訪れていたこの日、宿でふと、今日は祝日であることに気がつきました。
また、たまたまこの日、宿泊を庄内にとっていて、羽黒山までは30分ほど車を走らせれば到達できる距離にありました。
ならば行くしかない、とカメラだけを手に取り、車に駆け込んだのです。
隋神門で協力金を支払い、LEDの提灯を受け取ります。
記念品の手ぬぐいをいただきました。
昼間の羽黒山参道は深淵な佇まいを見せていますが、夜はまた、ひときわ妖艶です。
深海に降りて行くように、一歩ずつ、慎重に足を運びます。
参道は思いのほか暗く、小さめの社が闇に浮かび上がります。
祓川まで来ました。
そばで滝の音が聞こえますが、須賀の滝方面は真っ暗で、ちょっと不気味です。
爺杉が見えて来ました。
悠然と立つ爺杉の奥には、国宝の五重塔が見えています。
ライトアップされているので、その姿をよりくっきりと捉えることができます。
正面に回ってみます。
堂々たる風格。
羽黒山は、出羽三山の最初として、今から1400年の昔、推古元年(593年、飛鳥時代)に崇峻天皇の第一皇子「蜂子皇子」(ハチコノオウジ)によって開山されたと云います。
そして五重塔は、1100年前、「平将門」の手によって建てられたと伝えられます。
平将門が関わっていると聞くと、なにやら魔的な雰囲気さえ感じられるようです。
黒の背景に浮かび上がらせた古塔は、その歴史の深さを一層表していました。
10月の連休中はピンクリボンキャンペーンで、照明がピンクに変えられるのだとか。
このライトアップで訪れることができるのは、この五重塔まで。
そこから先は、真の闇になっていました。
さて、あとは降って来た階段を登り、下界へと帰るばかりです。