たまたま、造幣局から宗像・沖ノ島の記念硬貨が発売になるという情報を得たので、手に入れてみました。
平成29年(2017年)7月に「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が世界遺産リストに記載されたことを記念しての発売です。
お値段は税込み・送料込みで2,300円、お求め安い価格です。
しかも、ピカピカの平成30年銘未使用の通常貨幣もセットです。
つまり実質価格は1,634円ということになります。
ちなみに造幣局からは、「沖ノ島」から出土し 国宝に指定されている「祭祀の奉献品」の一部を題材にした「国宝章牌」も発売されていますが、びっくりするくらいお高いのでこちらはスルーしました。
コインももちろん素晴らしいのですが、それが収納されているケースデザインがまた素晴らしいのです。
宗像の三社の解説付き。
その写真も美しいです。
すかさずスキャンして画像をPCに保存しましたが、ここに掲げるのは流石に気が引けますので、撮影したものを掲載します。
でもちょっとこれだけ。
そう、今は誰も立ち入れなくなった沖ノ島の神殿。
世界遺産認定の直前に、ギリギリ参拝できたのは、今思っても本当に幸運でした。
そしてこれを見て、ふと思いました。
宗像氏の祖「アタカタス」は、神門臣家出身の6代目出雲王「臣津野」(オミツヌ/国引王)の子で、8代出雲王の八千矛・大国主とは叔父と甥の仲になります。
アタカタスの娘が宗像三女神と云われる姉妹です。
つまり初期の宗像族は、出雲の風習を色濃く受け継いでいたと思われます。
出雲族は王族が亡くなると、遺体をカゴに入れ、木に吊るし3年放置しました。
3年経つと洗骨し、山中の大岩の下に埋葬し、これを埋め墓としました。
また麓に丸石を置いて、拝み墓にしたと云います。
遺体を吊るした木は、後でしめ縄を巻いて神籬(ひもろぎ)とし、埋め墓の大岩は磐座(いわくら)と呼ばれました。
とするなら、沖ノ島の山中にある磐座群は、もとは王家の埋め墓だったのではないでしょうか。
辺津宮斎場にある女神が降り立ったという御神木は、この神籬だったのでは。
大島の御嶽山には拝み墓があったのではなかろうか、そんなことを思い浮かべました。
出雲族は蛇がとぐろを巻いたような形の良い山を神奈備としましたが、海人宗像族は、この絶海の孤島を母なる神奈備としたのではないかと思えてきました。
そう言えば沖ノ島を周回した時、この島が僕には巨大な爬虫類に見えました。
龍神信仰も出雲族の特徴的な風習のひとつです。
その沖ノ島が刻印された記念硬貨。
年号は世界遺産認定の年ではないのですね。
背景に印刷されているのは、一度は見てみたいと思っている「みあれ祭」の風景。
2018年度は残念ながら、チャーミー君の影響で中止になっています。
まさに女神宿る神秘の島。
またいつか逢える日が来ると嬉しいのですが、姫神は今も、絶海の孤島で静かに佇んでいるのでしょうか。