「近くの塔のへつりまで行ってみたらいいよ」
大内宿へ行く話をしたら、美容室のお客様からそんなご提案をいただきました。
せっかくなので足を伸ばしてみたら、驚く景観が待っていました。
「塔のへつり」とは福島県南会津郡の景勝地。
福島の新観光名所三十景に選ばれ、国の天然記念物に指定されてます。
へつりとは会津の方言で、川に迫った険しい断崖を言います。
「へつり」は山冠に弗で「岪」と書きますが、
そこには正に、塔のように林立する仏(佛)の姿がありました。
http://shimogo.jp/sightseeing/tonohetsuri/
塔のへつりは凝灰岩ほか多種類の岩が互い違いに重なる崖を、100万年かけて川の流れによって浸食され、このような景観になったといわれます。
この塔のへつりは、対岸から眺めるだけでなく、「藤見橋」という吊り橋を渡って上陸することが可能。
見た感じは割と頑丈ですが、
橋板は木製で、渡るとギシギシ音を立てて揺れます。
多種類の岩の層はそれぞれ浸食の度合いが異なり、不思議な縞模様を生み出しています。
「阿賀川」の色も不思議なグリーンで、一面に緑の世界を創り上げています。
塔のへつりの岩々は、その下を巡るように通路が彫られていますが、経年による崩落等で今は立ち入り禁止となっています。
ただ、吊橋を渡った先の、舞台岩周辺は上陸が可能となっています。
それでも不安定な足場を滑り落ちないよう、注意が必要。
さらにそこから、舞台岩の上へ登るには、壊れかけた石の階段を登らなくてはなりません。
侵食で抉れた洞穴には、積まれた小石がびっしりと。
階段を上った先には「虚空像菩薩」が祀られた岩の御堂がありました。
御堂は奇岩の洞穴に造られており、807年に「坂上田村麻呂」が創建したと伝えられています。
虚空像菩薩は、知恵や福徳をもたらし、悩めるすべての人々を救済する力を持つとされています。
本堂は立派な龍の彫刻がなされたものでしたが、のちに調べてみると撮影禁止というので掲載は控えさせていただきます。
さらに舞台岩の上へ上がります。
その先端は足がすくむ高さ。
土俵岩はまるで爬虫類の顔のよう。
眼下に藤見橋も垣間見えていました。
元来た岸へ戻って茶店でお団子をいただきました。
甘い味噌を塗って焼き上げた、ほくほくの逸品です。
茶店の奥様にお聞きすると、以前この阿賀川は水位も高く、渦を巻くほど猛烈に激しい流れだったということです。
その流れが創り出した奇景・塔のへつり、足を延ばす価値ある神の芸術がここにありました。
‘へつり’は意味が分らなかったですが会津弁でしたか。それにしても昔に凄いものを造ったんですね。私は高所は苦手です(^_-)-☆
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方言は味わいがありますね。
高所へ至った時の、眼下に広がる俯瞰の風景はぐっと胸にくるものがあります。
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