麓郷

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北海道・富良野といえば、昭和世代が思い浮かべるのは、間違いなく倉本聰氏脚本のテレビドラマ「北の国から」に他なりません。
その北の国からの思い出が今に残る「麓郷エリア」を散策してきました。

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観光名所として整備された「北の国から」を偲ぶ場所は、「麓郷の森」(ろくごうのもり)と「五郎の石の家」、「拾って来た家」の3エリアに分かれてあります。

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それぞれ車で5分くらいの位置にあるのですが、エリアごとに500円の入場料がかかります。
3エリアのチケットを一括で購入すると1,200円でした。

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「麓郷の森」は北の国からの初期のロケ地になります。

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チケットを購入し、ゲートをくぐると、

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すぐに「黒板五郎の丸太小屋」があります。

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この丸太小屋は「田中邦衛」が演じる主人公「黒板五郎」(くろいたごろう)の2番目の家となります。

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玄関には丸い板に、倉本聰の言葉で「灯は小さくても いつもあったかい」と記されています。

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「北の国から」は、全24話の連続ドラマからスタートしました。

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以後数年おきにドラマスペシャルとしてシリーズ化され、
「北の国から ’83冬」
「北の国から ’84夏」
「北の国から ’87初恋」
「北の国から ’89帰郷」
「北の国から ’92巣立ち」
「北の国から ’95秘密」
「北の国から ’98時代」
「北の国から 2002遺言」
の8編が制作されました。

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この丸太小屋は連続ドラマ17回から主人公の五郎が自分で作り始め、最終回の24回でようやく完成したものです。

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しかし次の「北の国から ‘84夏」で、息子である純(吉岡秀隆)の不注意から焼失。
五郎一家がこの家に住んだのはわずか1年半でした。

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実際にドラマの中で焼失したのは撮影のために作った別のセットで、この丸太小屋は当時のものが移転保存されたものであるということです。

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「麓郷の森」は針葉樹林の心地よい森です。

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順路に添い、のんびり散策を楽しみます。

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次に見えてきたのは3番目の家、「風車の家」です。

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丸太小屋が焼失した後、五郎一家が移り住んだ、離農した農家の廃屋という設定。

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展示される家々は全て、家屋内に入ることができます。

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家屋の中では、ドラマの内容を知らなくても、どことなくあたたかな生活の匂いを感じ取ることができることでしょう。

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この家では、一旦は五郎が諦めた風車発電を純が完成させ、父の誕生日にプレゼントします。
しかしその風車発電は、麓郷に降る大雪で潰れてしまうのでした。

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麓郷の森から車で離れ、「石の家」エリアへ向かいます。

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入り口からは小高い丘を歩いて登ります。

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途中には熊よけの鈴も置かれていました。

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丘を登りきった先には、

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「五郎の石の家」が建っていました。

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この「石の家」は、金策尽きた五郎が、ただでひろってきた石を積み上げて建てたものになります。

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石は無数に、細かく積み上げられています。

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風車発電、

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暖炉もあり、寒い冬でも温もりを保てそうです。

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この家は倉本聰によると、今も五郎が住んでいるという設定になっているようです。

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家の中を覗かせていただくと、そこにはさっきまで五郎がいたかのような気配まで再現されていて、時が止まっているような錯覚を覚えます。

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「北の国から」は当時、異例の1年2か月間に及ぶ長期ロケを敢行して制作されました。

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スタート当初は視聴率も一時は1桁台に落ちたものの、すぐに上昇し、最終回には20%を突破する人気ドラマとなりました。

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その後は連続ドラマの好評を受け、10年単位で子役の成長を追う大河ドラマというコンセプトで、長期シリーズが開始されます。

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ドラマスペシャルでは毎回、視聴率20%超えの大ヒット。

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幾度も再放送され、昭和の人間なら知らぬ者のない名作シリーズとなりました。

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「石の家」から少し歩くと、

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「北の国から」ではじめて登場した「最初の家」がありました。

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東京からやってきた純は、あまりの古く簡単な造りの家に、びっくりしてしまいます。

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確かにいきなりここに連れてこられて、明日から住めと言われれば戸惑いますね。

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家の中もとても狭いのですが、

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これまでの家の全てに屋根裏のロフトがあり、それはこの最初の家も同じで、ここが彼らの温もりある人生のスタートだったことを思わせられました。

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3つのエリア最後は「拾って来た家」。

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少し広めの庭に、不思議な家が建っています。

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敷地の中央にある大きな緑の家は、列車の貨物コンテナやバス、スキー場のゴンドラなどの廃材を使って五郎が雪子たちのために造った「雪子さんのアトリエと住居」です。

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「雪子」とは「竹下景子」演じる純と蛍の母方の叔母になります。
純と蛍からは「雪子おばさん」と呼ばれて懐かれていました。

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廃品を利用した奇怪な外観に対して、家屋内はとても美しく、アトリエ部分はまるで洒落たカフェのようです。

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それに対して住居部分は懐かしさを感じる落ち着いた雰囲気。

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中から覗くゴンドラの出窓がこんなに素敵なものだとは、外から見ただけではわかりませんでした。

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もうひとつ、小さな家は「正彦とすみえの家」です。

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この家は五郎が、同級生で幼馴染みの親友、「地井武男」演じる「中畑和夫」(なかはたかずお)の娘「すみえ」と夫「正彦」のために建てた家です。

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和夫は妻の「みずえ」が、再発した癌により余命幾許もないことを知り、五郎に打ち明けます。

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そうした事情ですみえと正彦の結婚と新居完成の予定が前倒しになり、五郎の尽力で完成したすみえの新居にみずえを連れて訪問したのが彼女の最後の想い出となりました。

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そのあと、通夜の席から抜け出した和夫は、一人この新居でむせび泣くのでした。

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「正彦とすみえの家」の向かいには、今にも崩れそうな小屋が建っています。

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ここは五郎が石の家を建てるまでの間、犬のアキナと一緒に暮らしていた家です。

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「拾って来た家」の最後を飾るのは、「純と結の家」です。

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この家、バスが丸ごと利用されています。

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「北の国から 2002遺言」には大量消費による大量廃棄社会への問題提起が含まれていました。

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捨てられたものから、こんなに素敵な家が作れるのかと、本当に驚きます。

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実はこの「純と結の家」は「北の国から」の作中には登場することがありません。

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それもそのはず、この家が完成したのは、ドラマ終了後の2004年。

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つまりこの家は、「北の国から」のその後を描いているのです。

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「純と結の家」には新婚の二人が楽しく暮らせるようにと願う、五郎の思いが残されているように感じました。
ところで、「北の国から」の名シーンの一つとして語り継がれるのが
「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」
のシーン。

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そのラーメン屋を訪ねてみようと調べてみると、そのお店はもうなくなっていました。
他にもたくさんのゆかりある建物、店などがなくなっています。
過ぎた時の長さを思い知ります。

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純と蛍が通った小学校跡というのが残っていたので、訪ねてみました。

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今は公民館となった分校跡の前に立っていると、さだまさしの鼻歌が、どこからともなく聞こえてくるようでした。

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