清姫の墓

投稿日:

9171040-2019-11-7-08-30.jpeg

清姫の父 真砂の荘司藤原左衛之尉清重は 妻に先立たれて その子清次と暮らしていた
ある朝散歩の途中 黒蛇に呑まれている白蛇を見て憐れに思い助けた
数日後 白装束の女遍路(白蛇の化身)が宿を乞い そのまま清重と夫婦の契りを結び清姫が誕生した

清姫が十三才の年 毎年熊野三山へ参拝の途中 ここを宿としていた奥州(福島県)白河在萱根の里安兵衛の子 安珍 十六才は みめうるわしい清姫の稚い頃より 気をとられて 行く末はわが妻にせんとひそかに語られ 姫も真にうけて安珍を慕った

ある夜 安珍は障子に映った蛇身の清姫を見て その物凄い形相に恐れをなした
それとは知らぬ姫は思いつめて遂に胸のうちを語り「いつまでも待たさずに奥州へ連れていってほしい」と頼んだ
安珍は突然の申し入れに大いに驚き これはなんとかして避けようと思い「我は今 熊野参拝の途なれば必ず下向には連れ帰る」とその場のがれの申しわけをされた

姫はその真意を知らず 安珍の下向を指おり数えて待ちわびたが あまりにも遅いので旅人に尋ねると「あなたの申される僧は先程通られ 早十二、三町も過ぎ去られた」と聞くや さては約束を破り道を変えて逃げられたのだと察し あまりの悔しさに道中に伏して泣き叫んだ

やがて気を取り直して汐見峠まで後を追い 杉の大木によじ登り(現在の捻木) はるかに望めばすでに田辺の会津橋を渡り逃げ去る安珍を見て瞋(いか)りにくるい 生きてこの世でそえぬなら死して思いをとげんと立帰り 荘司ヶ淵に身を投げた

その一念が怨霊となり道成寺まで蛇身となって後を追い 鐘にかくれた安珍を七巻半して大炎を出し焼死させ 思いをとげたと云う

時延長六年八月二十三日(今から約千八十年前 西暦二九八年)後 里人達はこの渕を清姫渕と呼び霊を慰めるため碑を建立
清姫の墓として毎年四月二十三日供養を続けている

ー 平成二十年 四月吉日 福巖寺第十二世 霊岳代誌「清姫之里の伝説」 ー

c1d-2019-11-7-08-30.jpg

9171036-2019-11-7-08-30.jpeg

和歌山県田辺市中辺路町の真砂(まなご)、富田川のほとりに「清姫の墓」と呼ばれる場所があります。
『今昔物語集』にも記される「安珍・清姫伝説」にまつわる伝承地の一つです。

9171037-2019-11-7-08-30.jpeg

当地は福巖寺の境外地となり、そこに「清姫堂」が置かれています。

9171041-2019-11-7-08-30.jpeg

物語は醍醐天皇の御代、延長6年(928年)夏の頃。
奥州白河より熊野に参詣に来た大変な美形僧に「安珍」(あんちん)がいました。
安珍は道中、真砂の庄司清次に宿を借りますが、そこの娘「清姫」彼に一目惚れしてしまいます。

9171051-2019-11-7-08-30.jpeg

清姫は恋心をぶつけますが、安珍は参拝中の身、困り果て帰りにはきっと立ち寄るからと騙して、参拝後は立ち寄ることなく去っていきました。
待てども戻らぬ安珍の姿に、騙されたことを知った清姫は怒り、裸足で彼を追いかけます。
ついに追いついた清姫に、安珍は熊野権現の助けを得て清姫を金縛りにし、再び逃げ出します。
清姫の怒りは天を衝き、遂に彼女の体は蛇身に化け、安珍を追うのです。

9171050-2019-11-7-08-30.jpeg

日高川を渡り道成寺に逃げ込んだ安珍は、梵鐘を下ろしてその中に逃げ込みました。
しかし清姫の怒りは収まらず、鐘に蛇身を巻き付け口から火を吐き、鐘の中の安珍は焼き殺されてしまうのでした。
思いを遂げた清姫もまた、蛇の姿のまま入水し果てたのです。

9171046-2019-11-7-08-30.jpeg

この真砂の集落は、清姫の出身地だと云われています。

9171047-2019-11-7-08-30.jpeg

清姫之墓と刻まれた石碑には「煩悩の焔も消えて今ここに眠りまします清姫の魂」と刻まれています。

9171048-2019-11-7-08-30.jpeg

当地に伝わる話では、杉の大木によじ登り逃げ去る安珍を見た清姫は、この荘司ヶ淵に身を投げたと云うことです。

9171049-2019-11-7-08-30.jpeg

彼女の怨念は蛇の形となり、道成寺の鐘とともに、安珍を焼き殺してしまうのです。

9171042-2019-11-7-08-30.jpeg

清姫堂は簡素な作りのお堂でした。

9171043-2019-11-7-08-30.jpeg

彼女の冥福を祈ります。

9171045-2019-11-7-08-30.jpeg

鐘が梵鐘の形なのは、少々狙い過ぎかと。

9171052-2019-11-7-08-30.jpeg

境内からは彼女が幼少の頃水遊びもした、身を投げた淵へ降りる階段がありました。
清姫の里には、欺かれたことを知った清姫は、安珍を追いかけもせず、大蛇にもならず、安珍を焼き殺しもせずに、世を儚んで富田川に身を投げて亡くなった、という話も伝えられていました。

9171054-2019-11-7-08-30.jpeg

4件のコメント 追加

  1. Tyakura より:

    お土産に柚子最中買われましたか?柚子最中の中に安珍清姫の物語が書かれていました。今もたぶん。よく食べてたので物語覚えてます♪好きなんですよね😊

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      柚子最中!なにそれ美味しそう!
      買っていません、残念。
      でもまた和歌山に行くでしょうから、その時は必ず!

      いいね: 1人

      1. Tyakura より:

        和歌山ならどこでも買えると思います。実家は大阪ですが、道の駅なんかで見かけるくらいなんで、是非。最中で唯一好きなやつです。

        いいね

        1. CHIRICO より:

          それは良い情報です!
          もなかの甘ったるさが、柚子でさっぱりして美味しそう。
          是非いただきます♪

          いいね: 1人

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください