稲積水中鍾乳洞

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以前から気になっていた「稲積水中鍾乳洞」(いなづみすいちゅうしょうにゅうどう)を訪ねてきました。
そこはいわゆるB級的な、ちょっとアレなスポットでした。

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稲積水中鍾乳洞へは、「ととろのバス停」からナビに導かれるままに車を走らせてきました。
が、この道、久々に酷道と呼ぶにふさわしい山道を延々と、10km以上も走らさせるものでした。
離合不可、両サイド断崖絶壁、急カーブの連続、そんな道です。
面倒でも一旦326号線へ出て、三重町方面からアクセスすることを超絶オススメします。

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やっとの思いで到着し、園の入口の横を見ると名水と書かれた看板が。
冷や汗で失った水分を補給します。
確かにまろやかな口当たり。

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一息ついたので、さっそく入場料を払って園内へ。
金色の大きな観音像が見えています。
これはアレな予感。

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案内板を見ると、鍾乳洞よりも他の施設が全面的にアピールされています。

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まあ、ともかくも目的の水中鍾乳洞とやらを目指して足を進めます。
「日本最大の水中鍾乳洞」を誇る当洞ですが、洞口までのアクセスはチープ感を否めません。
あと奥に見えるパラダイスなアレは、とりあえず無視の方向で。

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すぐに「虹の滝」と呼ばれる場所が見えてきました。
陽が差し込むと、虹が見れるそうです。

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滝の下には屋根が設けられた通路のようなものが。
稲積水中鍾乳洞は、日本初のダイビングができる鍾乳洞なのだそうです。
あらかじめ申し込んでおけば、シュノーケリングでのダイビングを体験できるようです。

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虹の滝を迂回していよいよ鍾乳洞入口へ。
ワクワクしてきます。

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入ってすぐ左手の壁に「赤ちゃん龍」と書かれた標識が。
見てみるとミミズのようなヌメッとした鍾乳石がありました。
ちょっとキモい。

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そして右手には、青い光でライトアップされた水面が。
魚も泳ぐその光景はなんとも幻想的です。

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稲積水中鍾乳洞を象徴する画像として、このあたりの写真がよく掲載されていますが、僕はこの景観がこの先もずっと続くものと思っていました。
が残念ながら、このブルーのライトアップは後にも先にもここだけ。
インスタ映えを狙うなら、ここの写真を頑張って撮っておくべきです。

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ブルー一色の水中鍾乳洞をイメージしていた僕は、その期待こそ裏切られましたが、それがこの鍾乳洞の価値を下げることはありませんでした。

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むしろ度が過ぎないライトアップには、好感が持てます。

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入口から70mほど進むと洞内は新生洞コースと水中洞コースの二股に分かれていました。

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まずは順路に沿って新生洞コースへ。

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「天のかけ橋」

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「名残りの池」

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「氷河」などと名付けられた見所が随所に設けられています。

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水流と小石にえぐられたためでしょうか、ポットホールのような鋭利な造形が目に留まります。

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個人的には「ベルホール」と名付けられたこの場所の天井を見上げて、感動しました。
美しい。。

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天から本当に鐘の音が響いてきそうです。

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「昇り竜」

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「無限界」などを経て、

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新生洞コースの最終地点へと到達します。

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そこは大きなホールになっていました。

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まだまだこの先も開発中なのだそうです。

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分岐点へ戻ってきました。

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なぜこの鍾乳洞が水中鍾乳洞と呼ばれ、この先を水中洞コースと呼ぶのかというと、

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元々の稲積水中鍾乳洞は、鍾乳石が形成された後に全体がいったん水没していたそうです。

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その後の当洞が発見された当時は、侵食により上半分が排水されて再び空気中に露出するようになっていました。

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つまり下半分の当コースは発見当時、水面下にあったのですが、観光開発のために排水路を掘削して地下水位を約2m下げ、今のように観覧できるようにされたのでした。

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開発後に行われた洞窟潜水探検によれば、水中洞窟の総延長は1kmを超え、水中洞としては日本一の長さを誇るそうです。

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気の遠くなる時間をかけて作られた鍾乳石が、水没することによって溶解しつつあったその姿はとても貴重なのだとか。

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一部が水中にあり、一部が空気中に露出している鍾乳石の、その稀な姿を見ることのできる稀有な鍾乳洞がこの稲積水中鍾乳洞なのです。

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尚もずいずい歩いて行くと、

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水中洞コースの最終地点、「示現の淵」にたどり着きました。

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その奥では、写真では分かりにくいですが、小さな滝となった水が降り注いています。
掘削しなければ、この水が一帯を浸水させていたのでしょう。

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淵の水面を見ると、小さな魚が泳いています。

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しばらく佇む来訪者を歓迎してくれているかのように、この小さな生物は何度も何度も姿を現し、弧を描いて泳いでいました。

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さて、神秘的な洞窟体験を終えて出口に出てみれば、いかにも怪しげなシチュエーションが。

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意図は不明。

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半強制的に建物の中に入ってみれば、これまた見事にレトロな町並みが再現されています。

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まあよく頑張って作られていますが、

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昭和といえばもうこの感覚なのですね。

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昭和は64年間もあり、もっと近代化された時もあったと思うのですが。

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まあせっかくなので、楽しんでみます。

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白蛇堂に入ってみると、

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モワッとした空気とともに

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白蛇様がいらっしゃいます。

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でっかい弘法さんや

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でっかい龍、

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謎の美術館や、

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その下には

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謎の仏像めぐりゾーンが設けられています。

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なぜか阿修羅像なども祀られていたりして、

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不思議空間満載です。

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そしてどうしても目の端につ巨大な観音像。

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これは大分県一の高さを誇る「稲積昇龍大観音」だということです。

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なぜ稀有な鍾乳洞にこのようなチープな建造物をたくさん置いてしまったのか。
僕は神社などでもたまにある、このご利益のゴリ押し感があまり好きではありません。

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辺境の地に人を呼びたかったのだと思いますが、コレジャナイ感ありありです。

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ネタ的に一度訪れてみるのは面白いのかもしれませんが、せっかく水中洞窟のダイビングなど他にない企画を持っているので、できれば神秘的な自然の造形美を前面に推したパーク作りだと良いのになと思わずにいられないのでした。

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10件のコメント 追加

  1. 匿名 より:

    この鍾乳洞よりもう少し奥まったところに母の実家があり、昔からこの付近を知る者です。
    先のコメントにもあるように、かなり前に外部の企業が買収して方向性がかなり変わりました。
    以前はお客さんもほとんどいない古びたお土産屋さんと、当時の管理人さんの趣味のような鯉の養殖池?のようなものだけでした。
    でも昔ながらの、それこそ作られた昭和レトロ感ではなく、昭和から続いたそのもののお土産屋さんの雰囲気、ほとんどお客さんのいない閑散とした雰囲気がとても好きでした。養殖池付近のカルガモちゃんも可愛かったです。
    聞いた話なので、噂話程度の話ですが、買収した企業は外国系(韓国)の企業らしいという話もあり、お客さんが鍾乳洞に求めるものに感覚的なズレがあるのは、そういったことも関係するのかなぁと思ったりします。
    主さんのおっしゃる通り、神秘的な自然の雰囲気を損なわないような、飾らない以前の施設に戻してほしいです。

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    1. CHIRICO より:

      こんばんは、コメントありがとうございます😊
      なるほど、色々と納得ですね。
      当然といえば当然のことながら、あちらの方は日本人の繊細な美的感覚を理解できません。
      なので日本的なものを作ろうとすればするほど、感覚のズレたものが出来上がります。
      韓国人として、堂々と韓国風のものを作れば良いのに、なぜか彼らは日本人の風を装います。
      韓国人としての文化に、自信がないのでしょう。
      しかし最近の若者は、この感覚に毒されて、あの一種の気持ち悪い独特の感覚をおしゃれだと勘違いし始めています。

      それはさておき、先日、宇田姫神社など参拝させて頂きましたが、あの辺りは景観も良く、誠に日本的な美しさを残している場所だと感じました。
      宇佐の豊玉姫は邪馬台国の卑弥呼だという話ですが、宇田姫や宇奈岐日女は彼女の子孫だと思います。
      邪馬台国の痕跡は大和王朝に徹底的に消されていますか、地道に訪ね歩くと見えてくるものがあります。
      お母さまも、遠くは豊玉女王の血を引いているかもしれませんね😊

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  2. 温泉街によくある、秘宝館が出てきそうで出てこなかったです。
    桂小枝探偵が「はいって、みよおおおおっと。どれどれ。。ふ?おおおっと、なんじゃこりゃ!」っていいそうです。

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    1. CHIRICO より:

      (笑)
      確かに絶滅危惧種の秘宝館はなかったですね。
      さすが、よっちゃんさんにパラダイスの意味が通じて良かったです♪

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  3. KYO より:

    管理会社のサイトを見たら、事業内容トップが「レジャー施設経営」でしたね~😅
    この会社が2004年に買収したとあったので、コレジャナイ部分はそれからの作品かと思われます。洞窟内のLED化は2011年にこの会社さんがやられたことのようです。
    鍾乳洞を見に行くのは好きで、九州だと千仏鍾乳洞には行きました。かなりワイルドな場所だったので夏で良かったなぁと今でも思います😅
    機会があったらこちらの鍾乳洞も一度見てみたいと思います😊。

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    1. CHIRICO より:

      あのチープなパラダイスがレジャーに値するのかどうか(苦笑)
      僕も千仏鍾乳洞に夏行きましたが、あの水が死ぬほど冷たくて途中でリタイアしました😅
      僕が一番と感じた鍾乳洞は久米島のヤジャーガマです。
      鍾乳洞マニアなら是非オススメしますが、久米島仙人に出会える幸運込みでということで。
      本土のガンガラーの谷はお気軽でこちらも良かったですよ。

      いいね: 2人

  4. 青の洞窟のようになっているのかと思いましたが、ライトアップでってことなんですね(^.^)
    なかなか面白い鍾乳洞で…。
    でっかい弘法さんや、でっかい龍、謎の美術館、謎の仏像にゴジラまで…(^-^;
    カオスな感じが、バンコクで見に行った、ピンクのガネーシャの寺院に似てるって思ってしまいました(^^ゞ

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      日本にも光が差し込んで、青の洞窟のようになっているところはいくつかありますが、ここはLEDのライトアップでした。
      鍾乳洞のライトアップでは過度なものも多く見受けられ、本来の鍾乳石の良さを失っているものも多いように思います。
      その点は稲積水中鍾乳洞は好感が持てます。
      まあ、あのチープなパラダイスは取っ払って、もっと自然の壮大さを前面に出した方が人を呼べると思うのですが(笑)

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      1. 確かに、チープパラダイスはない方がいいですよね(^-^;

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        1. CHIRICO より:

          なんかもったいないなと思いました😅

          いいね: 1人

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