天岩戸五社・落立神社

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高千穂には、「天岩戸五社」という天岩戸神社を含む5つの神社があります。
日本神話最大の舞台といえる、「天岩戸」を取り囲むようにある五社のうち、天岩戸神社以外の四社は結構なへき地にあり、訪れるのは大変です。
ここに紹介する各社は神職も無人の素朴な神社ですが、太古に思いを馳せるロマンあふれる聖地でした。

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【落立神社】
四社のうち、唯一アクセスしやすい神社が「落立神社」です。
天岩戸神社から車で10分足らずのところにあります。

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それでも離合が難しいような細道を少々走ることになります。

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そして落立神社は、四社のうちで最もミステリアスでもあります。
まずその名、「おったち(おちだち)」と読みます。
なんとも不思議な響きを持っています。
さらに参道に立ち並ぶ無数の「奉納板」です。

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奉納板は参道から境内をぐるっと囲むように立っていて、それぞれに奉納者の名前が書き込まれています。
見れば日本各地から奉納されており、有名な企業名や著名人のものもいくつかあります。

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なぜ、このような山村の小さな神社が、これほどの人たちの崇敬を受けているのか不思議です。
古老の伝えでは、懐妊の女性が参拝して祈れば必ず安産するとのことですが、奉納者の目的はもっと別のものではないでしょうか。

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御祭神は「伊邪那美命」(イザナミノミコト)。
かつては神武天皇の兄神「稲飯命」(イナヒノミコト)の子孫が司っていたそうです。

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ここからさらに山奥には、巨石で知る人ぞ知る「土呂久」(とろく)という集落があります。

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【鉾神社】
天岩戸神社から更に川ぞいに東へ進みます。
だんだんと標高高いところまで登ってきましたが、その風景はまるでマチュピチュを連想させます。

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途中、なぜかヘルメットをかぶった地蔵がありました。

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ようやくたどり着いたのは「鉾神社」(ほこじんじゃ)です。

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御祭神は「日子穂々出見命」(ヒコホホデミノミコト)、「豊玉毘売命」(トヨタマヒメノミコト)、「菅原道真公」です。

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神武天皇東征の時、一行は台風の危機に遭いましたが、「添利山」(そばりやま / 祖母山)に祈ったところ、たちまち波は治ったと云います。

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祖母山は神武天皇の祖母「豊玉姫」を祀っており、故にその名がついています。
その昔、祖母嶽大明神の下宮八社の一つとして県境鉾峠(尾平峠)に勧請したのが当社の起源と云われています。

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【二ツ嶽神社】
鉾神社から天岩戸神社方面に戻り、途中の上岩戸大橋を渡ります。
再び細い山道に車を走らせます。

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途中、小さな滝を見つけました。

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そして「二ツ嶽神社」(ふたつだけじんじゃ)に着きました。

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御祭神は「八幡大神」(はちまんおおかみ)、「若宮大神」(わかみやおおがみ)、「菅原道真公」となります。

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建立年は不明ですが、宝永4年(1707)の刻印のある神鏡が神社に伝わっています。

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二ツ嶽神社は、高千穂に最初に八幡神を勧請した最初の神社と伝わります。

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【石神神社】
最後にやってきたのは天岩戸神社から南西に下ったところにある「石神神社」(いしがみじんじゃ)です。

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御祭神は「国常立命」(クニノトコタチノミコト)です。
国常立命(国之常立神 / 国常立尊)は 「天地開闢」の時に出現した神で、「日本書紀」では、世に最初に現れた神としています。
さらに陽気のみを受けて生まれた神で、全く陰気を受けない純粋な男性神であると記しています。
また「古事記」では神世七代の最初に現れた神で、別天津神の最後の「天之常立神」(アメノトコタチノカミ)と対を為していると云います。
性別はなく、姿を現さなかったと記されています。

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不思議なことに、日本書紀や古事記ではたいへん位の高い神様とされているのに、日本全国を見て、国常立命が単独で祀られいる神社は、ごく少数に限られています。

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また由緒では、古老の口碑に三毛入野命の使牛を社傍におまつりしたのが創建の由来と伝わっているそうです。
里人の間では牛神明神と称し、牛馬の守護神としての信仰が厚いと云います。

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何れの社も訪れるのは簡単ではありませんが、時間があるときにはのんびり散策するのも良さげなところです。

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