この山の峰に岩屋があって、その中に天下を造られた大国主命の御琴がある。 長さ七尺、広さ三尺、厚さ一尺五寸である。 また峰に石神があって、高さ二丈、周りが四丈、そこでこの山を琴引山という。 - 『出雲国風土記』 - 島根県…
月: 2021年4月
稲生物怪録(平太郎とあやかしの30日間)
「稲生武太夫」(いのうぶだゆう)は、三次藩士の子で幼名を「平太郎」という。 三次地方に伝わる『稲生物怪録』(いのうもののけろく、いのうぶっかいろく)は、江戸時代に実在した16歳の少年・平太郎が体験した妖にまつわる話である…
諏訪大社 下社春宮・秋宮:八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇 31
「うむ、いつ見ても、なんと美しいことよ」 タケミナカタは北側から諏訪湖を見下ろす、この小高い山の景色がお気に入りだった。 その先には霊峰富士の、末広がりの姿がことさら美しく見れた。 「ここは威風ある山々に囲まれているとい…
大祝邸跡:八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇 30
『八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇』の後半、『古代諏訪とミシャグジ祭政体の研究』のミシャクジ祭祀の一端を訪ねる旅の締めくくりに、諏訪大社上社・本宮を再訪しました。 その目的は境内に祀られる磐座、『硯石』(すずりいし)を再確認す…
阿須波神社:八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇 番外
「庭中の 阿須波の神に 小柴さし あれは斎はむ 帰り来までに」 – 『万葉集』巻二十・防人の歌 – 千葉県市原市市原の「阿須波神社」(あすはじんじゃ)を目指します。 が、こんなところに!?ってくらい辺鄙な場所に、その神社…
萩の宮・足長公園夫婦岩:八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇 29
当社は荻で屋根を葺いていたので、「荻の宮」と呼ばれた 初代大祝・有員が役目を終えた後、崇敬し、広大な社殿を造営したという足長神社。 その元宮らしき場所があるというので訪ねてみました。 細い路地を抜けてたどり着いた場所にび…
守屋神社:八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇 番外
長野県諏訪市と伊那市との境には、標高1,651mの「守屋山」(もりやさん)が鎮座しています。 その麓にある「守屋神社」を訪ねてみました。 神社はとてもローカルな場所にあり、ともすれば通り過ぎてしまいそうでした。 この守屋…
折橋子之社:八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇 28
この精進屋の話をしている時、野菊さんの瞳が宙に浮かんだようになり、こんなことをいったのである。 「待ってくださいよ。そういえば、その精進屋を、どこかの村で買いとったということを聞いたことがあったけれど。はて、どこだった…