琴引山:八雲ニ散ル花 番外

この山の峰に岩屋があって、その中に天下を造られた大国主命の御琴がある。 長さ七尺、広さ三尺、厚さ一尺五寸である。 また峰に石神があって、高さ二丈、周りが四丈、そこでこの山を琴引山という。 - 『出雲国風土記』 - 島根県…

稲生物怪録(平太郎とあやかしの30日間)

「稲生武太夫」(いのうぶだゆう)は、三次藩士の子で幼名を「平太郎」という。 三次地方に伝わる『稲生物怪録』(いのうもののけろく、いのうぶっかいろく)は、江戸時代に実在した16歳の少年・平太郎が体験した妖にまつわる話である…

太歳神社

寛延2年(1749年)、備後の国・三次。 生ぬるい風が吹く、真夏の夜。 馬洗川には、かがり火を灯す鵜飼の舟がゆらゆらと浮かんでいた。 町内の屋敷に住む一人の青年、稲生平太郎の前には、歳の頃40ほどの裃を着た武士がいた。 …

大祝邸跡:八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇 30

『八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇』の後半、『古代諏訪とミシャグジ祭政体の研究』のミシャクジ祭祀の一端を訪ねる旅の締めくくりに、諏訪大社上社・本宮を再訪しました。 その目的は境内に祀られる磐座、『硯石』(すずりいし)を再確認す…

比婆山熊野神社

比婆山御陵と奥宮・命神社の里宮にあたる神社が「比婆山熊野神社」です。 大鳥居の扁額には「比婆大社」の文字。 東西南北に広がる御陵参道の南口にあたり、ここが表参道の入口であるといえます。 参道左手を流れる小川の先には大きな…

比婆山御陵:後編

さていよいよ御陵に向けて出発です。 ブッシュが深くなってきたので、熊除けの鈴を装着。 標識は細かく設置されており、道に迷うことはありません。 ただどこまでも、道は続きます。 比婆山(ひばやま)は、広島県庄原市にある標高1…

比婆山御陵:前編

ヒ☆バ☆ヒバゴンっ☆ そうだ!ヒバゴンに逢いに行こう♪ –––––––– ヒバゴンは、日本に生息すると言われている、類人猿型の未確認動物のひとつ。1970年代に、広島県比婆郡西城町油木・比婆郡比和町・庄原市(現在は全域が…

守屋神社:八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇 番外

長野県諏訪市と伊那市との境には、標高1,651mの「守屋山」(もりやさん)が鎮座しています。 その麓にある「守屋神社」を訪ねてみました。 神社はとてもローカルな場所にあり、ともすれば通り過ぎてしまいそうでした。 この守屋…

折橋子之社:八雲ニ散ル花 愛瀰詩ノ王篇 28

 この精進屋の話をしている時、野菊さんの瞳が宙に浮かんだようになり、こんなことをいったのである。 「待ってくださいよ。そういえば、その精進屋を、どこかの村で買いとったということを聞いたことがあったけれど。はて、どこだった…