「紫は水に映らず花菖蒲」
先日訪ねた太宰府天満宮で花菖蒲が三分咲き程だったので、そろそろ見頃ではないかと思い再訪しました。
今宵の天満宮は、ひときわ妖艶です。
道真公の墓所が神社になったという当社、
太鼓橋の先は黄泉の国に続いているようでした。
楼門は閉じられています。
秋の菊まつりの頃は夜も開門され、幽玄な神域を見ることができます。
菖蒲池にやってきました。
太宰府の花菖蒲は、毎年5月末から6月にかけて、およそ55種3万本の開花を見ることができます。
白、うす紫、紫の花菖蒲。
中には珍しい黄色も。
今年はコンサートは中止のようですが、夜間ライトアップもコロナ禍で中止と聞いていたので、ライトアップされていて驚きました。
嬉しい♪
太宰府天満宮の花菖蒲は、水中に直接植えられているのではなく、丸い鉢に植えられて池中に点在しています。
そのぽっかりと池に浮かんでいる風情がとても良い。
「何れ菖蒲か杜若」(いずれあやめかかきつばた)
実は太宰府天満宮のこの池は菖蒲池(しょうぶいけ/あやめいけ)と呼ばれていますが、咲いている花菖蒲と菖蒲は別の植物となります。
一般にしょうぶの花として私たちが目にしているものは、「花菖蒲」(はなしょうぶ)です。
ユリ目アヤメ科に属し、開花時期は6月上旬~6月下旬。
あやめを観賞用として品種改良されたもので、花は大輪、背丈60cm~100cmにまで成長します。
あやめはユリ目アヤメ科の植物で、漢字では本来「文目」「綾目」と書き、菖蒲とするのは間違いなのだそうです。
花は小輪で、背丈は30cm~50cm。
花菖蒲と違って乾燥した土に育ちます。
本来の菖蒲(しょうぶ)はサトイモ科で湿地や池や沼などの水辺に自生し、ガマの穂に似た花を咲かせます。
端午の節句で使われる菖蒲湯や薬草として利用されます。
杜若(かきつばた)はキジカクシ目アヤメ科に属し、「燕子花」とも記します。
花は中輪で背丈は30cm~90cm程度。
池や沼などの湿地に自生します。
そのほか見分け方うんぬんの説明は他サイト様にゆずるとして、花菖蒲は大きく分けて江戸系、伊勢系、肥後系の3系統に分かれるそうです。
江戸系は花弁があまり垂れず、小さく清楚な感じの花だそうです。明治神宮御苑では江戸系のみ集められています。
肥後系は江戸系を熊本で改良したもので、大輪で堂々とした花を咲かせます。太宰府天満宮の花菖蒲は肥後系が多いようです。
伊勢系は伊勢の松坂を中心に改良されたもので、花弁はちりめん地で深く垂れ下がっているものが多いです。
この菖蒲池の中心にある石碑に刻まれた「紫は水に映らず花菖蒲」は、俳人高浜虚子の長男「高浜年尾」(たかはまとしお)の歌。
「紫も映ってるやん」などと言わず、確かに濃い花の色は黒ずんだ池の水に馴染んでいるものだと、風情を楽しむのが吉なのでした。
どれも素敵な写真ですね。
その中でも2枚目の写真が凄く気に入ってます(^^♪
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優美様、ありがとうございます。
神社境内には花の名所と呼ばれる場所もたくさんありますが、盛りの季節に立ち会わせると幸せな気持ちになりますね。
そろそろ全国的に花手水の季節でもありますので楽しみです♪
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夜にお花と言えば、夜桜しかまじまじと見ませんが、どのお花も昼間と表情が違って素敵です!!
撮り方がお上手だからだと思うのですが♪
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CoccoCanさんに褒めていだだけて嬉しいです!
花の表情はとても豊かで、見るものを虜にしますね。
この世界に花があって良かった、と思います。
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