山形県尾花沢市、その山奥の一角に、大正ロマンあふれる温泉郷があります。
「銀山温泉」(ぎんざんおんせん)をちょっとだけ、訪ねてみました。
ガス灯のゆらめきに浮かび上がるノスタルジックな風景。
どこかで見たことあるような、そんな懐かしい空気に包まれています。
銀山温泉は150mほどの川沿いに宿が立ち並ぶ、とても狭い温泉郷です。
まるで映画のセットのようなところですが、ここにはのんびり時を過ごしたくなる何かがあります。
本当は少々お高くてもいいから、ここで一泊して長い夜を堪能しよう、そう思っていました。
しかしそれは叶いませんでした。
なぜなら銀山温泉では、おひとり様での宿泊を受け入れてくれる宿がなかったからです。
ならばせめてもと、車を走らせ、ちょっとだけ郷を散策させていただいたのです。
銀山温泉は『千と千尋の神隠し』のモデルになった場所だと噂されます。
そう言われる場所は他にも多数あるのですが、たしかにここは、あのジブリの世界を感じるものがあります。
温泉郷の端まで数分で歩けてしまいますが、その先には
幻想的な滝がありました。
この滝は「白銀の滝」と呼ばれ、この一帯は「洗心峡」といいます。
山形はなぜか、豊族を思わせる場所がいくつかあります。
ひょっとしてこの場所も、月神から変若水(おちみず)を受ける聖域だったのでは、と思ってしまいました。
小さな温泉郷に、一軒のお茶処がありました。
暑かったので、店先にあったお水を一口いただきます。
美味。
そしてそのまま店内に。
夜は酒処となるようです。
景色を楽しみながら待っていると、
注文した、冷たいぜんざいがやって来ました。
疲れた体に甘味が沁みます。
1986年にNHK朝の連続テレビ小説「おしん」のロケ地として大きな注目を浴びた銀山温泉。
どうやって訪ねたら良いのかわかりませんが、雪景色はまた格別の風情があるのだと言います。
やはり一度泊まってみたいもの。
もう少し歳を取ったら妻を誘ってみようか、と思うのでした。