ゆく年くる年

2021年もあと少し。 本年最後のお客様は、『偲フ花』のファンの方でした。 とても素敵なお花をありがとうございます。 神社や古代の話で盛り上がり、webでは書けないような裏話もたくさんさせていただきました😄 今年も皆様の…

戸田の海岸:語家~katariga~ 結

ここに天武天皇が詔りされた 「私が聞くところによると、諸家に伝えられている帝記及び旧辞は正実に違い、多く虚偽が加えられたものが多いという。今このあやまりを改めなければ、時を経ずしてその旨は失われることであろう。これは我が…

真行寺と赤人塚:語家~katariga~ 24

九十九里浜から少し内地に向かい、山辺赤人が晩年を過ごしたという場所を探します。 赤人を祀った薬師堂がのちに真行寺となったというので僕は探し訪ねてみましたが、 その場所は山奥にあり、個人の田畑が広がるばかりで、それらしきは…

高滝神社:語家~katariga~ 23

『鴨山の 岩根し枕ける われをかも 知らにと妹が 待ちつつあらむ』(223) 「鴨山の岩を枕に横たわる私のことを知らずに、彼女は待ちつづけているのだろうか」 房総半島の中頃に馬来田(まくた)という場所があります。 JR馬…

意宇の杜:語家~katariga~ 22

「今は国は引き訖(を)へつ」と詔りたまひて、意宇の杜に、御杖衝き立てて、「意恵」(オウェ)と詔りたまひき、故、意宇と云ふ。 – 『出雲国風土記』 出雲・六所神社にある出雲国府跡と、意宇の神奈備・茶臼山の中間の…

九十九里浜:語家~katariga~ 21

『里人の われに告ぐらく 汝が恋ふる 愛(うつく)し夫(つま)は もみじ葉の 散り乱れたる 神名火の この山辺から ぬばたまの 黒馬に乗りて 川の瀬を 七瀬渡りて うらぶれて 夫は会ひきと 人そ告げつる』(3303) 「…

辛の崎:語家~katariga~ 20

『つのさはふ 石見の海の 言さへく 辛の崎なる 海石にぞ 深海松生ふる 荒礒にぞ 玉藻は生ふる 玉藻なす なびき寝し子を 深海松の 深めて思へど さ寝し夜は 幾だもあらず 這ふ蔓の 別れし来れば 肝向ふ 心を痛み 思ひつ…

高角山:語家~katariga~ 19

『秋山に 落つる黄葉 しましくは な散りまがひそ 妹があたり見む』(137) 「秋の山に落ちるもみじ葉よ、しばし散らないでおくれ。妻のあたりを眺めたいから」 人麿が出発した夕方には、渡津村の東方の空に浅利富士が見えた。そ…

浮布池:語家~katariga~ 18

「お前、今までろくに化粧なんてしなかったじゃないか」 兄は妹の変わりように呆れていたが、そんな言葉などどこ吹く風で、女は一層めかし込んだ。 都風の垢抜けした人麿に女は恋心を抱いていた。 孤独と失意の人麿にとっても渡津の女…

伊柑神社:語家~katariga~ 17

島根県浜田市下府町に「伊甘神社」(いかんじんじゃ)が鎮座しています。 当地は石見国庁跡であると伝えられます。 石見国府が廃止された跡には、小野一族がかれらの祖先である大和6代目大君「国押人」を祀る伊甘神社を建てました。 …

高津柿本神社:語家~katariga~ 16

「高津柿本神社」(たかつかきのもとじんじゃ)は、島根県益田市高津町に鎮座しています。 社名の通り、歌聖柿本人麿を祀る神社で、柿本神社の本社を謳います。 当社創建の由来は、柿本人麿が残した辞世の歌 『鴨山の 岩根し枕ける …

畝尾都多本神社:語家~katariga~ 15

奈良県橿原市に、「畝尾都多本神社」(うねおつたもとじんじゃ)が鎮座しています。 当社は天香久山北西麓に鎮座し、「啼澤神社」「哭沢神社」「泣沢神社」の別名があり、その境内は「なきさわのもり」と呼ばれています。 御祭神の「哭…