浮布池:語家~katariga~ 18

「お前、今までろくに化粧なんてしなかったじゃないか」 兄は妹の変わりように呆れていたが、そんな言葉などどこ吹く風で、女は一層めかし込んだ。 都風の垢抜けした人麿に女は恋心を抱いていた。 孤独と失意の人麿にとっても渡津の女…