むかしむかし、信濃の光前寺の床下で山犬が子犬を産んだ。それを見かけた光前寺の和尚は、親子の山犬を世話することにした。
やがて母犬は子犬達を連れて山に戻ったが、子犬のうちの1匹を寺に残していった。
この子犬は「早太郎」と名付けられ、寺で大切に育てられたが、やがてたいへん強い山犬へと成長していった。
ある時、光前寺の近くで怪物が現れて子供をさらおうとしたが、早太郎が駆け付けたため、怪物は逃げて行った。
その噂は、信州の南隣、遠江の見附村の妖神・狒々の耳にも届いていた。
狒々は矢奈比売神社の祭りの夜に娘を里人に差し出させていたが、ある時僧が隠れ見ているのに気が付かず「信州の早太郎おるまいな、早太郎には知られるな」と呟いてしまった。
雨のしとしと降る日であった。
光前寺の門に旅の僧が立っていた。
「こちらに早太郎という者はおりますでしょうか」
それを聞いた光善寺の和尚は
「早太郎は人ではござらん、この犬でございます」
そう話した。
旅の僧は事情を説明し、和尚から早太郎を借受けることができた。
僧と早太郎が急ぎ見付村に辿り着いた時には既に8月に入り、またその年の矢奈比売神社の祭りが近づいていた。
僧は村人と相談し、早太郎を娘の代わりに神社に差し出した。
娘の身代わりとなって棺に潜む早太郎は、狒々が現れると勇猛果敢に飛びかかり、そのまま一夜にわたって激しく戦い、これを見事退治した。
戦いに勝利した早太郎はその足で、秋葉街道をひた歩き、光前寺までなんとかたどり着く。
しかし早太郎は深い傷を負っており、懐かしい和尚の姿を見ると
「ワオーン」
ひと吠えして、和尚の腕の中で、そのまま息をひきとったのだった。
「光前寺」(こうぜんじ)にやってきました。
立派な仁王門の手前に
養蚕神が祀られています。
仁王門の先の参道はとても素敵です。
リンちゃんも「ほえ~」って言いながら歩いていました。
光前寺は杉の林の中にあり、樹齢数百年の巨木も多いのだそうです。
蘭渓道隆式池泉庭園、築山式枯山水、築山式池泉庭園と三つの庭園があり、さらにはヒカリゴケが自生しています。
やがて三門が見えてきました。
おおー、荘☆厳!
三門の柱を潜ると、
なんとも神秘的な本堂が姿を現しました。アンビリーバボー!
鬱蒼とした森に囲まれた聖域。
このシチュエーションはなかなか憎い演出です。
右手には室町時代に建てられた弁天堂と、
左手には長野県宝の三重塔が佇みます。
重厚な本堂の屋根。
光前寺は、円仁の弟子本聖が比叡山を下りた後、太田切川の支流黒川の滝中から不動明王像を授かり、当地に寺を創建したのが始まりであると伝わります。
しかし、古記録は武田勝頼と織田信忠との戦いなど数々の罹災により失われてしまいました。
光前寺で有名なのはやはり霊犬「早太郎」伝説。
わんこのイメージで訪れたリンちゃんも、「うぃ~、いかつい系だったか」と唸らせました。
本堂内はこのいかつい系わんこ像だけ、撮影が許されています。
う~ん、強そう。
そしてどうしても目が行くのが、早太郎みくじ。
「かっ、かわええ…」
「でも500円もするのか君たち…」
「ふむむ…」
「…」
「……」
「………」
「ちゃり~ん」
やっぱり買っちゃうよね。
ちなみに早太郎みくじの写真は、ちゃんと購入することを伝え、写真を撮らせていただく許可を得ましたYo。
早太郎寺は水が豊富です。
そしてしっとりと雨が降る三重塔のそばには
霊犬早太郎の墓がありました。
なんとか光前寺に戻り帰った早太郎は、懐かしい和尚の姿を見てほっとしたのでしょうか、ひと吠えしてそのまま息をひきとったのだと伝えられます。
大好きな生まれ育った光前寺で、早太郎は安らかに、幸せだった日々の夢を見ているのでしょうか。
境内には他にも多くの墓や碑が立ち並んでいます。
「夏草や兵どもが夢の跡」
早太郎の話は、「猿神退治」として、まんが日本昔ばなしでもアニメ化されています。
僕はもうすこしだけぶらぶらと散策をして、
雨の山寺を後にしたのでした。
光前寺の光苔、素敵ですよね〜。
大好きなお寺です。
ゆるキャンの映画、まだ見ていないのですが、あちら方面が舞台でしたか〜。
はやく観たくなってきました。
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KYOさんこんにちは♪
光前寺は山寺の風合いが美しい、とても素敵なところでした。しかし実は光苔はよく分かりませんでした😅光苔が見れるという他のところでも同じような感じで、かなりデリケートな感じなのでしょうね。
光前寺が出てくるのはテレビアニメの1期後半でした。映画は彼女たちが大人になった時の話のようです。途中まで観ていましたが、後半は内容をよく覚えていません。
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おーそうだったんですね!
ありがとうございます。
一期後半、見てない回がいくつかあります。
アマプラにあるようなら観てみますね(^-^)
光苔は天気にも影響されるようです。
かすかな光なのですが、かすかなだけに如何にも自然の物という感じでした。
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