「よべ地震ひ、この日の午時雷の声す、家を出るに及びて、雪のふり下るごとくなるをよく見るに、白灰の下れる也。西南の方を望むに、黒き雲起こりて、雷の光しきりにす」 新井白石 随筆『折たく柴の記』 静岡県駿東郡小山町須走にある…
カテゴリー: 世界遺産紀
三保の松原:白姫 22
「のう姫よ、愛しい私の舞姫、今一度そなたの舞を見せてくれぬか」 「三保の松原で待つと、文をいただいて驚きました。お付きの方はいらっしゃらないのですか?」 「そうじゃ、そなたに会いとうて抜けてきた。私は明日には帰路に立…
宗像大社 辺津宮:八雲ニ散ル花 海祇ノ比賣巫女篇 03
「アタカタス様、お生まれになりました。女子にございます。」 「なに、そうか!」 海辺に面したアタカタスの屋敷は開放的で、爽やかな潮風が吹いていた。 懐かしい出雲の地を離れて筑紫まで来たが、彼はこの土地をとても気に入り、愛…
宗像大社 中津宮・七夕祭:八雲ニ散ル花 海祇ノ比賣巫女篇 02.5
その昔、唐の国に遣いに行った貴公子が、織女を伴っての帰国の途中にその女と深い恋仲となりました。 しかしそれは、儚い、かりそめの縁でした。 二人は日本に着いて離ればなれになってしまったのです。 それからというもの貴公子は織…
宗像大社 中津宮(筑前大島):八雲ニ散ル花 海祇ノ比賣巫女篇 02
宗像大社辺津宮から車で10分走ると神湊(こうのみなと)に着きます。そこからフェリーで20分、玄界灘7kmの沖合にある筑前大島へと渡りました。 世界遺産に制定された「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」において、最も注目…
保護中: 宗像大社 沖津宮(沖ノ島):八雲ニ散ル花 海祇ノ比賣巫女篇 01
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熊野本宮大社:八雲ニ散ル花 木ノ国篇 11
高倉下の紀伊王国建国から始まった今回の和歌山旅、その締めくくりに訪れたのは、和歌山県田辺市本宮町本宮にある「熊野本宮大社」(くまのほんぐうたいしゃ)です。 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれ、熊野三山の一つに名を…
大斎原:八雲ニ散ル花 木ノ国篇 10
「状況はどうだ」 「はい、随分矢を打ち込まれましたが、川が結界となってなんとか防ぎきっております。しかし…」 そう、分かっている。 時間の問題なのだ。 奴らはこの深い森の戦い方を熟知している。 夜討ち朝攻めの攻撃を受け、…