畝尾都多本神社:語家~katariga~ 15

奈良県橿原市に、「畝尾都多本神社」(うねおつたもとじんじゃ)が鎮座しています。 当社は天香久山北西麓に鎮座し、「啼澤神社」「哭沢神社」「泣沢神社」の別名があり、その境内は「なきさわのもり」と呼ばれています。 御祭神の「哭…

藤原宮趾:語家~katariga~ 13

『やすみしし 我ご大君 高照らす 日の皇子 荒栲(あらたへ)の 藤井が原に 大御門 始めたまひて 埴安(はにやす)の 堤の上に あり立たし 見したまへば 大和の 青香具山(あおかぐやま)は 日の経の 大御門に 春山と 茂…

墨坂:語家~katariga~ 12

土形娘子は妊娠したので、お産のために実家に帰っていた。だがそろそろ産まれる頃なのに、何故か知らせが遅い。 ある夜、墨坂の家で人麿は夢を見た。 夢の中で妻・土形娘子の声を聞いた気がした。 ひんやりと柔らかい、細い指の感触を…

葛木倭文座天羽雷命神社:語家~katariga~ 10

「どうしたのですか、こんな時分に」 「いや、姉さんと少し話をしたかったから来ました」 大津皇子は姉で伊勢神宮の斎宮である大来皇女に会いに来た。それは表向きは今後の政権についての相談だったが、死の予感から一目会いたいとの思…

磐余神社:語家~katariga~ 09

奈良県橿原市、神山「二上山」に相対するように鎮座するのが「磐余神社」(いわれじんじゃ)です。 街中にあって広い境内。 長い参道の先に社殿があります。 祭神は「神日本磐余比古命」、つまり「神武天皇」が祀られています。 しか…

軽寺:語家~katariga~ 08

人麿は空を見上げていた。ゆらゆら揺れる雲はつかみどころもなく、彼の心情を表しているかのようだった。 久しく土形娘子と逢っていない。二人の逢引きが彼女の母親に知られ、そして会うことを禁じられた。 まだ彼女が、幼さを残す振り…

八所御霊神社

奈良市秋篠町にある「八所御霊神社」(はっしょごりょうじんじゃ)にぶらり立ち寄りました。 秋篠寺南門の南東、旧境内に鎮座します。 なんとなく名前に惹かれて誘われた神社。 「火雷大神」「崇道天皇」「伊豫親王」「藤原廣嗣」「文…

龍鎮神社:八雲ニ散ル花 龍宮ノ末裔篇 02.5

室生の海神社(かいじんじゃ)を訪ねたついでに、ぶらり「龍鎮神社」(りゅうちんじんじゃ)を訪ねました。 が、それはぶらりなんて気分を吹き飛ばす、驚くべき場所でした。 深谷渓谷の奥地に鎮座するその入口は、赤い龍鎮橋が目印です…

海神社:八雲ニ散ル花 龍宮ノ末裔篇 02

山なのに海神社。 長らくお待たせしてしまいましたが、asamoyosiさんの宿題に、僕なりの回答をお伝えする時が来ました。 京奈和自動車道・紀の川ICの西(農免道路沿い)に鎮座する「海神社」(かいじんじゃ/うながみのやし…

奥垣内遺跡:八雲ニ散ル花 出雲屋敷篇06

出雲屋敷と呼ばれるところは、「狭井神社」(さいじんじゃ)の奥にある「山ノ神遺跡」のところだと云われています。 しかし地元の人が言う、出雲屋敷があった場所というのはもうひとつ、別の場所にありました。 三輪山の麓、大神神社に…

ダンノダイラ:八雲ニ散ル花 出雲屋敷篇05

山ノ神遺跡の反対側、第二の鳥見山霊畤と直線で結んだ三輪山の8合目付近にある出雲族の聖地「ダンノダイラ」を訪ねました。 三輪山の南側麓に「十二柱神社」(じゅうにはしらじんじゃ)が鎮座します。 ここは桜井市の出雲地区のほぼ中…