奈良県橿原市に、「畝尾都多本神社」(うねおつたもとじんじゃ)が鎮座しています。 当社は天香久山北西麓に鎮座し、「啼澤神社」「哭沢神社」「泣沢神社」の別名があり、その境内は「なきさわのもり」と呼ばれています。 御祭神の「哭…
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藤原宮趾:語家~katariga~ 13
『やすみしし 我ご大君 高照らす 日の皇子 荒栲(あらたへ)の 藤井が原に 大御門 始めたまひて 埴安(はにやす)の 堤の上に あり立たし 見したまへば 大和の 青香具山(あおかぐやま)は 日の経の 大御門に 春山と 茂…
墨坂:語家~katariga~ 12
土形娘子は妊娠したので、お産のために実家に帰っていた。だがそろそろ産まれる頃なのに、何故か知らせが遅い。 ある夜、墨坂の家で人麿は夢を見た。 夢の中で妻・土形娘子の声を聞いた気がした。 ひんやりと柔らかい、細い指の感触を…
葛木倭文座天羽雷命神社:語家~katariga~ 10
「どうしたのですか、こんな時分に」 「いや、姉さんと少し話をしたかったから来ました」 大津皇子は姉で伊勢神宮の斎宮である大来皇女に会いに来た。それは表向きは今後の政権についての相談だったが、死の予感から一目会いたいとの思…
磐余神社:語家~katariga~ 09
奈良県橿原市、神山「二上山」に相対するように鎮座するのが「磐余神社」(いわれじんじゃ)です。 街中にあって広い境内。 長い参道の先に社殿があります。 祭神は「神日本磐余比古命」、つまり「神武天皇」が祀られています。 しか…
軽寺:語家~katariga~ 08
人麿は空を見上げていた。ゆらゆら揺れる雲はつかみどころもなく、彼の心情を表しているかのようだった。 久しく土形娘子と逢っていない。二人の逢引きが彼女の母親に知られ、そして会うことを禁じられた。 まだ彼女が、幼さを残す振り…
龗神神社(八大龗王辨財天大神):八雲ニ散ル花 出雲屋敷篇10
Facebookのとある古代史グループに参加しているときに、奈良・大神神社の興味深い摂社を紹介いただいたので訪ねてみました。 その一つは、山辺の道の脇にひっそりとありました。 「貴船神社」(きふねじんじゃ)です。 祭神は…
龍鎮神社:八雲ニ散ル花 龍宮ノ末裔篇 02.5
室生の海神社(かいじんじゃ)を訪ねたついでに、ぶらり「龍鎮神社」(りゅうちんじんじゃ)を訪ねました。 が、それはぶらりなんて気分を吹き飛ばす、驚くべき場所でした。 深谷渓谷の奥地に鎮座するその入口は、赤い龍鎮橋が目印です…
海神社:八雲ニ散ル花 龍宮ノ末裔篇 02
山なのに海神社。 長らくお待たせしてしまいましたが、asamoyosiさんの宿題に、僕なりの回答をお伝えする時が来ました。 京奈和自動車道・紀の川ICの西(農免道路沿い)に鎮座する「海神社」(かいじんじゃ/うながみのやし…
奥垣内遺跡:八雲ニ散ル花 出雲屋敷篇06
出雲屋敷と呼ばれるところは、「狭井神社」(さいじんじゃ)の奥にある「山ノ神遺跡」のところだと云われています。 しかし地元の人が言う、出雲屋敷があった場所というのはもうひとつ、別の場所にありました。 三輪山の麓、大神神社に…
ダンノダイラ:八雲ニ散ル花 出雲屋敷篇05
山ノ神遺跡の反対側、第二の鳥見山霊畤と直線で結んだ三輪山の8合目付近にある出雲族の聖地「ダンノダイラ」を訪ねました。 三輪山の南側麓に「十二柱神社」(じゅうにはしらじんじゃ)が鎮座します。 ここは桜井市の出雲地区のほぼ中…