清姫の墓

清姫の父 真砂の荘司藤原左衛之尉清重は 妻に先立たれて その子清次と暮らしていた ある朝散歩の途中 黒蛇に呑まれている白蛇を見て憐れに思い助けた 数日後 白装束の女遍路(白蛇の化身)が宿を乞い そのまま清重と夫婦の契りを…

沼御前神社

弘安年間(1278年~1287年)の7月のこと、「おなつ」という少女が沼沢湖で泳いでいる最中に消息を絶ち、大騒動となった。 村人は昼夜問わず、おなつを捜し回ったが、ついに見つかることはなかった。 3日が過ぎた頃、村に滞在…

玉藻稲荷神社:玉藻前奇譚03

舳先が水を切る音、風を受ける帆の音、 波に揺れる船上で碧い海の彼方を見つめている私。 ここは、そう知っている、あの真備とか言う男の船の上。 遥かな時の先で、私は霧散したと思ったが、それも夢だったのか記憶は曖昧だ。 ともか…

殺生石(欠片・九重):玉藻前奇譚02

玄翁心昭(げんのうしんしょう)は、南北朝時代、越後国で生まれ、5歳の時、国上寺で出家した。 18歳で曹洞宗に改宗し總持寺の峨山禅師に入門、師事すること10年。 師から「もう何も教えることはない」と印可証明を与えられてから…

殺生石:玉藻前奇譚01

時は奈良時代、順風に帆を揚げ、大和に向けて海原を進む遣唐使船で、真備は困り果てていた。 彼の前には16歳ばかりになる、目に涙を溜めた美しい少女が座っていた。 「何ゆえそなたは儂の船に乗っておるのだ」 しばらく押し黙ってい…

太宰府・伝衣塔

太宰府天満宮の細道に、ひっそりと知る人ぞ知るパワースポットがあります。 すっかり観光地化した太宰府天満宮は、今では異国の声が飛び交い、風情を楽しむのは難しくなっています。 しかし参道を一本外れると、そこには昔と変わらぬ静…

雲八幡宮

今を遡ること八百年の昔 源氏と平家 鳥の左右の二つの翼のごとく 車の二つの輪のごとく 天下を二分して相争い ついに天下は現時の征する事となった。哀れ平家の落人よ… 壇ノ浦より逃れ逃れて ここ耶馬溪の里に 敢無くも打ち滅ぼ…

辰子姫の田沢湖

辰子は美しい娘だった。 安倍三之丞の娘は、稀に見る美貌を持つと云われた。 年頃になった辰子は、その美貌に自ら気付いてしまった。 いつの日か衰えていくであろうその若さと美しさを何とか保ちたい、辰子は日々、そう願うようになっ…

鬼のミイラ / 河童の墓

大分県四日市の「十宝山大乗院」に、「鬼のミイラ」があるというので行ってみました。 最初に断っておきますが、ミイラの写真はありません。 撮影は禁止とありましたので、場所の紹介だけです。 108段の階段を上ると、十宝山大乗院…

くつな石

昔この巨石に目を付けた石屋が石を切り出そうと、石鑿で「コン!」と一打ち…。 すると石の割れ目から、赤い血が流れ出し、傷ついた蛇が顕れた。 驚いた石屋はそのまま逃げ帰ったそうな。 ところがその夜から、ひどい熱と激しい腹痛に…

乙が森・花尻の森

京都大原といえば、和國情緒深い山里として多くの人に親しまれています。 しかしその一角に、悲しい伝説を伝える場所があることを、ほとんどの人は知りません。 京都市左京区大原戸寺町、京都バス「花尻橋」そばにある「花尻の森」(は…

芦屋鵺塚

かつて「鵺」(ぬえ)という化け物がいました。 頭は猿、身体は狸、手足は虎、尾は蛇という妖怪です。 夜な夜な御所の上空に現れ、天皇はその障気で体調を崩しました。 それを見事に退治したのが源頼光の子孫である源頼政。 頼政は弓…