広島のど真ん中、JR広島駅から500mの稲荷町に「稲生神社」(いなりじんじゃ)が鎮座しています。 元和5年(1619年)の創建と云われている稲荷信仰の当社ですが、のちに「稲生物怪録」で知られる稲生武太夫が合祀され、祭神と…
カテゴリー: あやかし浪漫
雨宮神社(トトロの森)
熊本県球磨郡相良村川辺、人吉にほど近いその場所に『トトロの森』と呼ばれている神社があります。 「雨宮神社」(あまみやじんじゃ)です。 田園にこんもりと盛り上がった杜。 案内板には雨乞いの神様とあります。 参道の途中に竹で…
稲生物怪録(平太郎とあやかしの30日間)
「稲生武太夫」(いのうぶだゆう)は、三次藩士の子で幼名を「平太郎」という。 三次地方に伝わる『稲生物怪録』(いのうもののけろく、いのうぶっかいろく)は、江戸時代に実在した16歳の少年・平太郎が体験した妖にまつわる話である…
手打そば 山菜料理 わらべ
「ええ今思えば、あれは貴重な体験だったのかもしれません」 そう言う氏の額から頬にかけて、冷たい汗が一筋流れた。 「私には霊感などないのだと思っていました。でも、あの日…」 それは4月初旬のことだったという。 広島県北の山…
玉藻稲荷神社:玉藻前奇譚 03
舳先が水を切る音、風を受ける帆の音、 波に揺れる船上で碧い海の彼方を見つめている私。 ここは、そう知っている、あの真備とか言う男の船の上。 遥かな時の先で、私は霧散したと思ったが、それも夢だったのか記憶は曖昧だ。 ともか…
殺生石(欠片・九重):玉藻前奇譚 02
玄翁心昭(げんのうしんしょう)は、南北朝時代、越後国で生まれ、5歳の時、国上寺で出家した。 18歳で曹洞宗に改宗し總持寺の峨山禅師に入門、師事すること10年。 師から「もう何も教えることはない」と印可証明を与えられてから…
殺生石:玉藻前奇譚 01
時は奈良時代、順風に帆を揚げ、大和に向けて海原を進む遣唐使船で、真備は困り果てていた。 彼の前には16歳ばかりになる、目に涙を溜めた美しい少女が座っていた。 「何ゆえそなたは儂の船に乗っておるのだ」 しばらく押し黙ってい…