率川神社 三枝祭:八雲ニ散ル花 番外

ここに於いて、其の伊須気余理比売命の家、狭井の河の上に在り。 天皇(すめらみこと)、其の伊須気余理比売の許幸行し、一宿御寝坐しき也。 其の河、佐韋(さい)の河と謂ふ由は、其の河辺に於いて、山由理草(やまゆりくさ)多在る故…

龍田大社

「千早振る 神代もきかす 龍田川 からくれないに 水くくるとは」 - 在原業平朝臣 奈良県生駒郡三郷町立野南に鎮座の「龍田大社」(たつたたいしゃ)を参拝しました。 大鳥居の扁額には「龍田本宮」とあります。 龍田大社の旧称…

天津岩戸別神社:常世ニ降ル花 御津羽青月篇 18

奈良の高市郡高取町、その住宅街にぽつんとある「天津石門別神社」(あまついわとわけじんじゃ)に来ました。 境内入口の鳥居の横に案内板があります。 祭神は「天手力男命」(あめのたじからおのみこと)で、越智氏居館跡の西に鎮座と…

国主の里:常世ニ降ル花 御津羽青月篇 11

高木の神が言った。「天つ神の御子よ、これより奥に行ってはならぬ。数多の荒ぶる神がそこにはいるのだ。今、天より八咫烏を遣わす。その八咫烏がお主を導くので、後について進みなさい」 それで教えに従い八咫烏の後をついて行くと、吉…

波比賣神社:常世ニ降ル花 御津羽青月篇 10

- オキナガ姫が当地に至ると、にわかに白昼であるにもかかわらず、夜中のように暗くなった - というわけで再び、奈良県五條市西吉野町の「夜中」にやってきました。 常世感漂う深山の細道。こわい。 そしてありました、前回「波宝…

波宝神社:常世ニ降ル花 御津羽青月篇 09

山を走ります。 延々と、細い山道を走ります。 離合も嫌だけど、そもそも人が走っていません。 こわい。 そんな孤独と戦いながら、ようやく僕は「波宝神社」(はほうじんじゃ)に辿り着きました。 鎮座地は奈良県五條市西吉野町”夜…

吉野山

「CHIRICO様には人混みに揉まれながらの桜より、静かな秋の吉野山の方が似つかわしいように思います」 2021年春、asamoyosi様よりアドバイスをいただいて、はや2年半。僕はようやく吉野山へ来ることができました。…

海石榴市:語家~katariga~ 番外

『紫は 灰指すものぞ 海石榴市の 八十の巷に 逢へる兒や誰』(3101) 〔紫に染めるには、椿の灰をさすのが良いという。その椿市のやちまたに分かれた辻の広場で出逢った、紫の裳を着た君の名を教えて欲しい〕 『たらちねの 母…

於美阿志神社:語家~katariga~ 番外

奈良県高市郡明日香村にある「於美阿志神社」(おみあしじんじゃ)を訪ねました。 於美阿志神社は、キトラ古墳の近く、国営飛鳥歴史公園内にあります。 当社は、第15代応神大君の代に渡来した「阿智使主」(あちのおみ)の居住地跡で…

畝尾都多本神社:語家~katariga~ 15

奈良県橿原市に、「畝尾都多本神社」(うねおつたもとじんじゃ)が鎮座しています。 当社は天香久山北西麓に鎮座し、「啼澤神社」「哭沢神社」「泣沢神社」の別名があり、その境内は「なきさわのもり」と呼ばれています。 御祭神の「哭…

藤原宮趾:語家~katariga~ 13

『やすみしし 我ご大君 高照らす 日の皇子 荒栲(あらたへ)の 藤井が原に 大御門 始めたまひて 埴安(はにやす)の 堤の上に あり立たし 見したまへば 大和の 青香具山(あおかぐやま)は 日の経の 大御門に 春山と 茂…

墨坂:語家~katariga~ 12

土形娘子は妊娠したので、お産のために実家に帰っていた。だがそろそろ産まれる頃なのに、何故か知らせが遅い。 ある夜、墨坂の家で人麿は夢を見た。 夢の中で妻・土形娘子の声を聞いた気がした。 ひんやりと柔らかい、細い指の感触を…