葛木倭文座天羽雷命神社:語家~katariga~ 10

「どうしたのですか、こんな時分に」 「いや、姉さんと少し話をしたかったから来ました」 大津皇子は姉で伊勢神宮の斎宮である大来皇女に会いに来た。それは表向きは今後の政権についての相談だったが、死の予感から一目会いたいとの思…

磐余神社:語家~katariga~ 09

奈良県橿原市、神山「二上山」に相対するように鎮座するのが「磐余神社」(いわれじんじゃ)です。 街中にあって広い境内。 長い参道の先に社殿があります。 祭神は「神日本磐余比古命」、つまり「神武天皇」が祀られています。 しか…

熊野道祖神社・下照姫神社:語家~katariga~ 番外

福岡にも出雲はあった。 「熊野道祖神社」(くまのどうそじんじゃ)を訪ねてきました。 熊野道祖神社は福岡の要部・大橋にほど近い塩原にありながら、深い杜をまとった趣深い神社です。 境内は決して広くはありません。 しかし不思議…

軽寺:語家~katariga~ 08

人麿は空を見上げていた。ゆらゆら揺れる雲はつかみどころもなく、彼の心情を表しているかのようだった。 久しく土形娘子と逢っていない。二人の逢引きが彼女の母親に知られ、そして会うことを禁じられた。 まだ彼女が、幼さを残す振り…

内裏神社:語家~katariga~ 07

日本最大級の砂浜海岸「九十九里浜」の東の果てに、藤原耳面刀自の墓と言い伝えられる場所がありました。 千葉県旭市に鎮座する内裏神社(だいりじんじゃ)は、弘文帝(大友皇子)妃の「耳面刀自媛」(みみもとじひめ)を祀る神社です。…

高蔵寺:語家~katariga~ 06

千葉県木更津市にある真言宗豊山派の寺院「高蔵寺」(こうぞうじ)を訪ねました。 当院は「藤原鎌足」(ふじわらのかまたり)出生に深い関わりがある寺院と伝えられていました。 山号は平野山(へいやさん)。本尊は聖観世音菩薩であり…

俵田 白山神社:語家~katariga~ 05

天智帝には父親の違う兄がいた。宝姫と高向王・石川臣武蔵との間に生まれた大海人皇子である。 「私は大君となったが、大和はまだ磐石とはいえぬ。兄上の力を私に貸してはもらえぬか。私の次は兄上に位を譲りたいと考えておる」 「大君…

那津官家と水城の桜:語家~katariga~ 04

日本最初の国難と言える「白村江の戦い」の大敗。 この時、中大兄皇子が造らせた日本の最大防衛施設、それが「水城」でした。 九州に大宰府ができる以前、筑紫国を管理する役所は海寄りの那の津にありました。 昭和59年(1984年…

戸田柿本神社:語家~katariga~ 03

戸田は出雲よりずっと西の、日本海沿岸の小さな村である。大道山が海岸まで迫り、平地は少ない。海岸は素朴な砂浜で、漁をするにも良い港とは言えなかった。 その戸田で漢部家は字を変え綾部家となり、田畑を借りて農業を始めることにし…

六所神社:語家~katariga~ 02

島根県松江市大草町に「六所神社」(ろくしょじんじゃ)は鎮座しています。 その参道は「王の川」を意味する意宇川から伸びており、当社が出雲の古い王家に縁があることを忍ばせます。 古代出雲王国では、西王家の郷戸家と東王家の富家…