辰子姫の田沢湖

辰子は美しい娘だった。 安倍三之丞の娘は、稀に見る美貌を持つと云われた。 年頃になった辰子は、その美貌に自ら気付いてしまった。 いつの日か衰えていくであろうその若さと美しさを何とか保ちたい、辰子は日々、そう願うようになっ…

鬼のミイラ / 河童の墓

大分県四日市の「十宝山大乗院」に、「鬼のミイラ」があるというので行ってみました。 最初に断っておきますが、ミイラの写真はありません。 撮影は禁止とありましたので、場所の紹介だけです。 108段の階段を上ると、十宝山大乗院…

くつな石

昔この巨石に目を付けた石屋が石を切り出そうと、石鑿で「コン!」と一打ち…。 すると石の割れ目から、赤い血が流れ出し、傷ついた蛇が顕れた。 驚いた石屋はそのまま逃げ帰ったそうな。 ところがその夜から、ひどい熱と激しい腹痛に…

乙が森・花尻の森

京都大原といえば、和國情緒深い山里として多くの人に親しまれています。 しかしその一角に、悲しい伝説を伝える場所があることを、ほとんどの人は知りません。 京都市左京区大原戸寺町、京都バス「花尻橋」そばにある「花尻の森」(は…

芦屋鵺塚

かつて「鵺」(ぬえ)という化け物がいました。 頭は猿、身体は狸、手足は虎、尾は蛇という妖怪です。 夜な夜な御所の上空に現れ、天皇はその障気で体調を崩しました。 それを見事に退治したのが源頼光の子孫である源頼政。 頼政は弓…

松浦一酒造「河伯のミイラ」 / 秀林寺「猫塚」

今回はお隣、佐賀から「妖怪」に関する小ネタを二つ紹介します。 【松浦一酒造】 伊万里湾に面した山代町に正徳6年(1716年)より酒造りを営んできた「松浦一酒造」さんがあります。 先祖の田尻氏は筑後の豪族で、鍋島直茂によっ…

皿屋敷(お菊大明神)

「一枚、二枚、さぁ~ん枚、・・・九枚、、、うらめし~ぃ...」 で、有名な皿屋敷伝説、それが福岡の嘉麻市にもあったりします。 のどかな民家の中に、ぽつんとあります。 臼井石竹というところに「清左衛門」という豪農がおりまし…

橋姫神社

宇治を訪れると雄大な宇治川にかかる「宇治橋」の美しさに目が留まります。 そこに佇む一人の美女がいます。 そう「紫式部」さんです。 宇治は「宇治十帖」(うじじゅうじょう)と呼ばれる「源氏物語」最後の10帖の舞台でもあります…

森宗意軒神社/油すましの墓

天草はとても遠い、というのが僕が抱いているイメージです。 熊本市内は高速で1時間くらいで行けるのに、そこから天草までがやたら遠い。 そんな場所だからこそミステリースポットもあったりします。 【森宗意軒神社】 江戸時代前期…

座敷わらし【考】

「そうだ、座敷わらしに逢いに行こう!」 ふと呼ばれてる気がして、「座敷わらし」の噂ある宿に連絡してみました。 一番有名な「緑風荘」さんは火事の後、再建の途中でした。 「菅原別荘」さんは一年前からの予約でないと難しいらしく…

早池峰神社

僕の岩手旅のハイライトと言えるのが「早池峰神社」(はやちねじんじゃ)への参拝でした。というのも、「早池峰神社」とその隣にある小学校は、「座敷わらし」にもっとも逢える可能性の高いところだからです。 早池峰神社は「民宿わらべ…

神遣神社と遠野三山

【神遣神社】 遠野の中心地から早池峰山に向う途中の車道わき、 山中にひっそりとあるのが「神遣神社」(かみわかれじんじゃ)です。 森に隠れるようにある社殿は、気をつけて見ていないと通り過ぎてしまいます。 遠野には「三姉妹と…