大山祇神社:八雲ニ散ル花 番外

伊予国の風土記に曰ふ。乎知の郡。御嶋。坐す神の御名は大山積神、またの名は和多志大神なり。 是の神は、難波高津に御宇しめしし天皇の御世に顕れましき。 此神、百済国より度り来まして、津国の御嶋に坐しき。云々。御嶋と謂ふは、津…

月山神社:親魏和國ノ女王 番外

「お月さん ももいろ だれんいうた あまんいうた あまの口 ひきさけ」 高知県大月町の南端・小才角地区に、「土佐サンゴ発祥の地記念像」として、珊瑚を抱えた少女の像がひっそり立っています。 国道321号線沿いにあり大きな駐…

大頭神社:親魏和國ノ女王 番外

嚴島の神烏「ごがらす」四羽が飛来し、御烏喰式(おとぐいしき)を行った後、親烏二羽は紀州熊野に帰り、子烏二羽は嚴島の弥山に残って、次の一年間の祭りを享ける。 これにより大野は古くから別鴉郷(べつあのさと)と呼ばれた。 広島…

埃宮:親魏和國ノ女王 序

豊国軍が安芸の国に留まっていた248年頃、女王宇佐豊玉姫は安芸国の埃ノ宮で没し、その遺体は「安芸の宮島」に仮埋葬された。 戦時中であるので、女王の墳墓は厳島には造られなかったが、遺骨は宇佐に移された。宇佐八幡宮から見える…

とある出雲一家の日常:その弍

「八千矛兄、あけましておめでとうございます。そして大名持へのご就任、お祝い申し上げます」 「おお波津身、わざわざ挨拶に来てくれたか。おぬしも少名彦に決まったそうだな、これから我ら力を合わせて良き国づくりに励もう」 「ええ…

とある出雲一家の日常:その壱

「姫よ、儂の愛しい糸魚川の翡翠はおるかの」 「あらあなた、突然どうしたのですか、日も落ちかけていますよ」 「どうじゃ、立派な鯛が釣れたのよ、これを其方に食べさせようと思うての」 「まあとても大きな鯛ですこと。これを私に、…

戸田の海岸:語家~katariga~ 結

ここに天武天皇が詔りされた 「私が聞くところによると、諸家に伝えられている帝記及び旧辞は正実に違い、多く虚偽が加えられたものが多いという。今このあやまりを改めなければ、時を経ずしてその旨は失われることであろう。これは我が…

真行寺と赤人塚:語家~katariga~ 24

九十九里浜から少し内地に向かい、山辺赤人が晩年を過ごしたという場所を探します。 赤人を祀った薬師堂がのちに真行寺となったというので僕は探し訪ねてみましたが、 その場所は山奥にあり、個人の田畑が広がるばかりで、それらしきは…

高滝神社:語家~katariga~ 23

『鴨山の 岩根し枕ける われをかも 知らにと妹が 待ちつつあらむ』(223) 「鴨山の岩を枕に横たわる私のことを知らずに、彼女は待ちつづけているのだろうか」 房総半島の中頃に馬来田(まくた)という場所があります。 JR馬…

意宇の杜:語家~katariga~ 22

「今は国は引き訖(を)へつ」と詔りたまひて、意宇の杜に、御杖衝き立てて、「意恵」(オウェ)と詔りたまひき、故、意宇と云ふ。 – 『出雲国風土記』 出雲・六所神社にある出雲国府跡と、意宇の神奈備・茶臼山の中間の…

九十九里浜:語家~katariga~ 21

『里人の われに告ぐらく 汝が恋ふる 愛(うつく)し夫(つま)は もみじ葉の 散り乱れたる 神名火の この山辺から ぬばたまの 黒馬に乗りて 川の瀬を 七瀬渡りて うらぶれて 夫は会ひきと 人そ告げつる』(3303) 「…