
対馬の苔寺があるというので行ってみました。

そこは寺ではなく、苔の参道が見事な神社でした。
「銀山上神社」(ぎんざんじょうじんじゃ)は日本で銀を産した始まりと日本書紀にも記載がある古社です。

銀山上神社は対馬の南西、厳原町の久根(くね)という、少し山に入り込んだところにあります。
古代、銀を朝廷に献上したことから当時は大調(おおつき)と呼ばれていました。

緑の絨毯を敷き詰めたような参道。

辺りは日中も薄暗く、参道は苔むしています。

苔を踏まずに歩くことは不可能なので、なるだけ優しく歩きます。

やがて拝殿が見えてきました。
御祭神は諸黒(もろくろ)神と安徳天皇です。

諸黒神は朝鮮半島から来た鉱山技術者を神格化したものではないかといわれています。
安徳天皇は、壇の浦で入水し、わずか八歳で崩御しましたが、
この久根地区では、対馬に逃れて生き延び、対馬島主、宗氏の始祖であると信じられています。
安徳天皇の御陵と伝えられるものも、近くにありました。

行くには不便な場所にありますが、足を延ばす価値は十分にありました。