
有明海にぽっかり浮かぶ雲仙岳。
その姿は雄々しく神秘的です。
中でも近年大爆発を起こした普賢岳は印象的です。
その雲仙岳の山中にある「雲仙」を軽く歩いてみました。


【木花開耶姫神社】
「原生沼」という場所が雲仙温泉街の一隅、絹笠山の東麓ににあります。
この辺りは雲仙地獄のように、噴気活動が全くなく、約1.3haの泥の湿原になっています。

その奥に「木花開耶姫神社」(このはなさくやひめじんじゃ)があるというので訪れていみました。
木花開耶姫は地上に降り立った神「瓊瓊杵尊」(ににぎのみこと)が一目惚れした、美しい女神です。

少し山を登らなくてはなりません。

何か見えてきました。

ありました。
御神体です。

しかしここは「木花開耶姫神社」、これでは男の神様になってしまいます。
んで、その先の祠の方へ進んで見ると、

ハート形の女性の形をした御神体です。

由緒書きも、真面目なんだか不真面目なんだか。

なぜか場末の温泉街には、この御神体をよく見かけます。
かつて存在した「秘宝館」だとか、古き良き日本の、ささやかな娯楽だとも言えるのでしょう。



【温泉神社と雲仙地獄】
鄙びた感のある雲仙の温泉街に「温泉神社」があります。

「おんせん」と書いて「うんぜん」と呼ぶそうです。

こじんまりとした境内を歩いてみます。

ご祭神は
「白日別命」(しらひわけのみこと)、「速日別命」(はやひわけのみこと)、「豊日別命」(とよひわけのみこと)、「豊久土比泥別命」(とよくじひねわけのみこと)、「建日別命」(たけひわけのみこと)となっています。

裏手の方が気になって、回ってみました。

ほう。

確かに2本の柿の樹が仲良く並んでいます。
柿の樹は雌株と雄株に分かれますが、この樹がそれぞれ雌雄となっているのでしょうか。

両手で柿の木を抱いて、下から上へ撫であげながら、口で願い事を唱え祈願したら、願いが叶うそうです。

シメにこの御神水を浴びると良いようです。

すぐそばに「奥の院」がありました。

奥の院、ここだけは雰囲気が違います。

張られた水の上に立つ社。

投げられたお賽銭は、どす黒く酸化しています。

温泉神社の境内に続くように、「雲仙地獄」があります。

もうもうと立ち上がる煙。

漂う硫黄臭。

地獄ならではの景色ですが、どこか雑然としています。

張り巡らされた菅が、やりっぱなしな感じだったり、それはそれで味があるような感じだったりします。
もう少しちゃんと、客寄せに取り組めば良くなりそうですが、ちょっと残念な温泉街でした。
