浅草寺・浅草神社

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江戸の下町「浅草」にやってきました。

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「浅草寺」(せんそうじ)の象徴とも言える「雷門」(かみなりもん)が、その参道入口で出迎えます。

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切妻造の八脚門には、向かって左に雷神像、

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右に風神像が安置されており、

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正式には「風雷神門」(ふうらいじんもん)というのですが、「雷門」の通称で親しまれています。

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昭和35年(1960年)に鉄筋コンクリート造で再建された雷門は、「松下幸之助」が浅草観音に祈願して病気平癒した報恩のために寄進したものです。

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これほどの大きな提灯ですが、三社祭の時と台風到来の時は綺麗に折り畳まれます。

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提灯の底部は美しい装飾が施され、

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その底面には立派な龍の彫刻が取り付けられていました。

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門の背面の間には、「金龍・天龍」の像を安置され、

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西の金龍(女神)は仏師・菅原安男、東の天龍(男神)は彫刻家・平櫛田中の作で、昭和53年(1978年)に奉納されたものだそうです。

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雷門をくぐると、「仲見世通り」が続きます。

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また、雷門の横には、有名な「雷おこし」の店が。

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雷門から宝蔵門に至る長さ約250mの表参道の両側には、土産物、菓子などを売る店が東側に54、西側に35の計89店舗が立ち並び、「仲見世通り」と呼ばれています。

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仲見世は貞享2年(1685)頃、浅草寺付近の住民に境内の清掃を賦役として課すかわりに、南谷の支院の軒先に床店(小屋掛けの店)を出す許可を与えたのが発祥と云われています。

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関東大震災では甚大な被災を受けましたが、大正14年(1925年)に鉄筋コンクリート造で再建され、仲見世は今も江戸の下町らしい活気にあふれています。
ところが近年、この仲見世に存続の危機が迫っているといいます。

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仲見世通りの土地は、もともと浅草寺の所有でしたが、明治4年に所有権が国に移りました。
その後、明治44年に土地は浅草寺に返還されますが、建物は引き続き都が管理していました。
仲見世の店子は都から破格の安い賃料で店を借り続けられ、今の賑わいを維持してこられたのです。

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しかし2017年7月、都が浅草寺に建物を2000万円で売却することに合意し、仲見世の土地も建物も浅草寺所有となりました。
それで立地に応じた適正な賃料が店子らに請求されることになったのですが、その額が今までの16倍、10平方メートルあたり月1万5000円だった賃料を同25万円に値上げするというものだったのです。

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一時、大騒動になりましたが、結局、家賃の大幅アップを、店子側が泣く泣く受け入れる形で決着したようです。
今の店を覗いてみれば、浅草の伝統と歴史を感じさせる昔ながらの土産物や、懐かしい小物類も並んでいて、見て歩くだけでもとても楽しいものです。
しかしそれらの全てが売れ行き良いものかと言えば、むしろそういった商品は少なめ。
いずれはレアな商店は姿を消し、何処にでもあるような店ばかりが並ぶ仲見世へと変貌する可能性は大きいです。

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仲見世通りの家賃問題は、浅草寺の実質トップである「守山雄順」執事長が指揮を執る景観改革が絡んでいるようで、守山執事長は“浅草を京都のような静謐な街にしたい”と考えているようです。
つまり賃上げで店舗が出て行けばこれ幸いというわけです。
家賃自体は法外なものではなく、むしろこれまでが法外に安かったわけで、それはそれで仕方ないのかもしれませんが、この雑多な下町の風合いこそ浅草の持ち味なので、それが失われてしまうのはとても寂しく感じます。

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仲見世通りを抜けた先には「宝蔵門」があります。
入母屋造の二重門で、全国で初めて採用したチタン製の瓦を葺いています。

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門の左にある阿形(あぎょう)は仏師・錦戸新観、

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右の吽形(うんぎょう)像は木彫家・村岡久作の作です。

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門の背面左右には、魔除けの意味をもつ巨大なわらじが吊り下げられていますが、これは、村岡久作が山形県村山市出身である縁から奉納されているもので、2,500kgものわらで編まれているそうです。

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宝蔵門の先にあるのが本堂で、

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横には五重塔も見えています。

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手水で手口を清めます。

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そこに立つ沙竭羅龍王像は、高村光雲作と云います。

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『浅草寺縁起』によると、推古天皇36年(628年)、宮戸川(隅田川)で漁をしていた「檜前」(ひのくま)兄弟の網にかかった仏像を拝した主人「土師中知」(はじのなかとも)が出家し、自宅を寺に改めて供養したのが当時の始まりであると伝えます。

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この仏像は「聖観音」(しょうかんのん)像であると云われ、大化元年(645年)、勝海上人が夢告により秘仏と定めたと伝わります。
高さ1寸8分(約5.5cm)の金色の観音像であると云う秘仏本尊は、長期間にわたって見る者がなかったので実在が疑われていましたが、明治2年の調査でその存在が確認されており、奈良様式の聖観音像で、高さは20cmほど、焼けた跡があり両手足がなかったと記されています。

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本堂内は広く、煌びやかな印象でしたが、撮影禁止となっています。

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本堂の西側にある「影向堂」(ようごうどう)は、本尊聖観音像のほか、8体の仏像が横一列に安置されていますが、御朱印をいただく場所にもなっています。
近年の御朱印ブームで、こちらも平日で30分程度の待ちになっていました。

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他にも境内の近い範囲に薬師堂や淡島堂などが鎮座しているので見て回りました。

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ちなみに僕は引かなかったのですが、浅草寺のおみくじは「凶」が出やすいと有名です。

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細い棒の入った円柱形の筒箱を振って棒を一本取り出して、記された番号のくじを受けとる方式ですが、その配分が凶30%・吉35%・末吉6%・半吉5%・小吉4%・末小吉3%・大吉17%となっています。
なのでむしろ凶をとりにいく、くらいの心構えで臨むのが、ここのおみくじの正しいスタイルだと思われます。(そうなのか?)

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浅草寺境内にある「浅草神社」(あさくさじんじゃ)へ来ました。

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浅草神社は、通称「三社権現」(さんじゃごんげん)、「三社様」(さんじゃさま)と呼ばれ、浅草寺の草創に関わった「土師真中知」(はじのまつち)、「檜前浜成」(ひのくまのはまなり)、「檜前竹成」(ひのくまのたけなり)を主祭神とします。

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おでこが特徴的な狛犬が鎮座していました。

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浅草寺境内にありながらも明治の神仏分離により別法人となった、このこじんまりとした神社が、浅草中を巻き込んで大騒動となる時があります。
そう、5月の例大祭「三社祭」です。

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三社祭は、五月の第三金・土・日曜日で200万人の人出があるという、江戸風情残るお祭りです。
初日は、お囃子屋台をはじめ鳶頭木遣りや浅草の各舞、また芸妓連の手古舞や組踊り等で編成された「大行列」が浅草の町に祭礼の始まりを告げ、「神事びんざさら舞」が奉納されます。

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二日目には、「例大祭式典」が斎行されますが、なんと言っても三社祭の最大の見所は、最終日に行われる「宮出し」です。
「一之宮」「二之宮」「三之宮」の宮神輿三基が早朝から担ぎ出され、氏子各町を三方面に分かれ渡御し、日没後に神社境内へ戻る「宮入り」を迎えて祭礼行事が終わるというものです。

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この宮出し、祭りには喧嘩がつきものというように、男たちが小競り合いを繰り広げつつ担ぎ棒をめぐって奪い合います。
かつてはこの小競り合いに公然と全身刺青のやくざ者も参加していました。

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その激しさゆえ「喧嘩祭り」などとも称されていましたが、現在はだいぶ規制され、安全なお祭りとなりつつあるようです。
それでも宮出しの、男たちの激しい戦いを見ようと、今も多くの観客が集まります。

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今ではどこもかしこも、やさ男だらけになった我が国ですが、江戸っ子の気骨が垣間見える、そんな下町「浅草」が今も残っていることに少し安堵を覚えました。

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15件のコメント 追加

  1. dalichoko より:

    気分が高揚しますね!
    (=^ェ^=)

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    1. CHIRICO より:

      やはり浅草は活気があってなんぼだと思うのですがね。

      いいね: 1人

  2. 生きる塾 より:

    えぇ〜〜🤯笑笑

    いいね

  3. 生きる塾 より:

    浅草寺で思い出したのですが、おみくじで人生初のての “ 大凶 ” をひいたのがここでした。笑

    いいね: 1人

    1. CHIRICO より:

      それはある意味ミラクルでは?
      逆に羨ましいくらいですよ(笑)

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  4. Tyakura より:

    提灯たためるんですね!知りませんでした。
    16倍の家賃…。それが相場だなんて怖い(><)です。どうなって行くんでしょうか?今の賑わいのままが浅草の良さでしょうに。まだ行ったことがないのですが行ってみたいところです。

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    1. CHIRICO より:

      三社祭の神輿が通るのに邪魔なんだそうです。
      普通の提灯のように、上にぺしゃんってなるみたいですよ、見てみたいですね。
      本当にタイムスリップしたかのような、味わいのある店が多いんです。
      が、それらを買うかというとなかなか、ね。
      なので売り上げはきっと厳しいはずです。
      仲見世保護団体なんか立ち上がらないんですかね。

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  5. 生きる塾 より:

    浅草寺はいつの間に行かれていたのてすくわぁ〜😆

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    1. CHIRICO より:

      はは、初日のラストにチャチャっと行ってきました!

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  6. Grazie Chirico! Le tue descrizioni e foto dettagliate sono sempre bellissime e interessanti! Grazie mille m(_ _)m

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    1. CHIRICO より:

      Poiché ero in cattive condizioni di salute, non potevo rinnovare per un po ‘.
      Mi sento molto bene ora.
      Grazie Alessia!

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      1. Chirico bene che sei guarito! 🤗 grazie per i tuoi post!!

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        1. CHIRICO より:

          Farò del mio meglio d’ora in poi facendo attenzione alla mia salute!

          いいね: 2人

          1. Esatto bravo! Aspetto i tuoi bellissimi post! 🤗

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          2. Grazie mille!! どうもありがとう!!! 🙏🏻

            いいね: 1人

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