山梨県南都留郡鳴沢村に鎮座の、「魔王天神社」(まおうてんじんじゃ)を訪ねました。
道挟んで参道入口手前には、立派な神楽殿があります。
毎年4月18日に、太々神楽が12座奉納され、古式を伝える神事として貴重な「鳴沢の太々神楽」が執り行われるのだとして、古代史研究家にも人気なのだとか。
さらに神楽殿の横には、溶岩樹型と呼ばれる洞窟がありますが、まあ入りません。怖いし。
魔王天神社の参道は、きっつい石の階段。
さすが魔王、さす魔です。
汗水鼻水垂らしてヒイヒイと登る僕を、睥睨する魔王。
祭神は、闇堕ちした道真さんかと思いきや、「経津主命」(ふつぬしのみこと)だと。なんでやねん。
由緒によると、魔王天神社は、西八代郡下部町の熊野神社近くに承和3年(836年)に、大夫正信が創建。
享禄元年(1528年)に、神慮により現社地に遷宮されたそうです。
当社は背後の魔王の山を神体としているので本殿がありません。
拝殿の背後には木塀の囲いがあり、中にある土盛に夥しい刀剣が奉納されているとのこと。
村では魔王大六天(オダイローサマ)と親しまれ、台風などで農産物に風の被害が予想されるときには風の神に無事を祈ったとされています。
魔王天とは、仏教の他化自在天(たけじざいてん・第六天)に由来するそうで、明治の廃仏毀釈により社名と祭神の変更を余儀されなくなったということです。
つまり、魔王天として信仰の対象だった刀剣が、その化身とされる経津主命として祭神に変えられて今に至るようです。
境内には「風の神」「疱瘡神」「小御岳本宮」が鎮座していますが、御岳本宮は「古太郎坊」と呼ばれ、分霊が富士山の中腹に勧請され小御嶽神社になったとも伝えられていました。
「鳴沢氷穴」(なるさわひょうけつ)に来ました。
ここは、溶岩でできた洞窟です。
地下に降りる階段があります。怖い。
冷んやりとした冷気というか、霊気が奥から吹いてきます。
黄泉ってんじゃないの、これ。
洞窟といえば、これまで訪れたのは鍾乳洞がほとんどでしたが、ここはめちゃ狭い。
中腰でも、頭ぶつけそうです。
この洞窟は、平安時代初期の貞観6年(864年)の、富士山の北西山麓で大規模な噴火活動が発生した「貞観大噴火」によってできました。
大噴火とともに噴出した膨大な溶岩は、やがて徐々に冷え固まります。
その際に、内部のガスや冷え切らない溶岩が抜け出すことで、この洞窟が形成されました。
鳴沢氷穴の1番の見所は、地下21mの「木の池」で、幻想的な氷の世界を見る事ができます。
これは完全に、天然の冷蔵庫。
身も心も、背筋もひんやりしてきたので、そろそろ下界に戻ります。
鳴沢氷穴のお隣には、「富岳風穴」(ふがくふうけつ)もあります。
実はこの鳴沢氷穴や富岳風穴は、あの自殺の名所、青木ヶ原樹海の中にあります。
いやもう、樹海の中の洞窟なんて、怖いしかないでしょう。
樹海に入り込んでここを見つけた人も、最初に穴に入った人も、まともな神経じゃないですよね。
青木ヶ原は「貞観大噴火」で、溶岩流が広く流れた所で、大室山や長尾山などいくつかの噴石丘、西湖・精進湖を生み出しました。
それでこのような溶岩洞が、他にいくつも存在します。
その中の一つに、人穴と呼ばれるものがあり、富士講の開祖「藤原角行」が修行したと言いますから、この風穴も修験者が開発したのかもしれません。
奥の広い場所に出ました。
まるで祭りの屋台みたいなのがあります。
ここも天然の冷蔵庫として使用されていたようで、
カイコの飼育や、
種子の貯蔵に利用されていたそうです。
おお、光り苔って初めて見るかも。
この鳴沢氷穴と富岳風穴は共に、富士急グループの富士観光興業が運営しており、売店などもあります。
お値段も手頃で、短時間で樹海と洞窟の探索を体験できます。
霊感体質でない人はおすすめの観光スポットではないでしょうか。
敏感な人は、まあ知らんけど。
霊感はないと思うので、行ってみたいです。。。
調べてみたら、公共交通機関でも行けるみたいですね。
洞窟。惹かれます。
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ここは観光化されていますので、安心してお楽しみください♪
鍾乳洞とはまた違う、溶岩洞ならではのおもしろさがあります。
この後、またすごい溶岩洞をいくつかご紹介します。
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