
原島を出港した船は、目の前の「長島」へと向かいます。

原島の龍の背の先端。

遠くに、なんとかって島。

長島と大島は、大きな橋で繋がっています。

すぐに港が見えて来たよ。

長島は人口約170人程度の有人島。渡良の三つの島内には、飲食店や商店などはありません。
長島に着くと、ちょうど訪問販売の車が来ていたので、島のマダムたちで賑わっていました。

船着場の前には、こんもりとした丘が。

「長嶋神社」です。

ここも稲荷かな。

境内には、少し立派な社殿が建っていました。

おお、三つ星。

祭神はよく分かりません。



それでは長島を、あてもなく歩いてみます。

南の方に、灯台があるらしい。

爽やかな午後。

あれが灯台か。

と、海辺の草っ原に、黒い物体がチラホラと。

その正体は牛さんです。

うぬぬ、何やら熱い視線。
・・・、ハッ、ひょっとしてキミたちは、、、

あのヒトたちではないのかい!

ああ、そうだよね。

牧歌的な、のどかに見えるこの光景の裏には、残酷な背景が隠されている。

生きるとは、命を頂くこと。
僕らは捕食する側に慣れてしまって、そのことを忘れがちです。

また、牛舎に鮨詰めに飼われる牛たちよりも、ここの壱岐牛は自由で平和そうに見えます。
しかし俯瞰して見ればそうでないことがわかるように、僕ら自身も自由に見えて、その実は管理飼育された社会に生かされていると言うこと、近年その傾向にさらに拍車がかかっていることを僕は感じ取っていて、ちょっぴりつらい。

でも、だからといって不幸だとも思っていません。幸せというものは、別のベクトルの、当たり前の日常の中にこそ在ると思うから。

ここの牛さんたちもそうであって欲しいなんて願うのは、やはり傲慢だとは思うのだけど。

牛さんに会えたので、灯台までは行かずにUターン。

スイセンの香る島道を歩きます。

僕の住む街でも、昔はこんな野っ原が多少はありました。

ゆっくりと流れる時を感じながら、

無駄に過ごすことも、たまには必要だよね。



長島と大島を繋ぐ橋は、「珊瑚大橋」といって1999年に架けられました。

海の色がしゅてき。

ぽっかりと浮かぶ、松笠が風流な「前児島」。

大島、in!

大島に入ってしばらく歩くと、

砲台跡がありました。

平和な島に似つかわしくない、愚かな歴史の産物。

そして何十年、何百年経っても、変わらないものよね、人って。

林の中にも、遺跡がありました。

山の小高いところに、「壱岐市立三島小学校」がありました。

海を眺め、潮風が吹き抜ける小学校。

通うのは大変そうだけど、素敵な学校です。

こっから港方面へ降りていくと、

「大島神社」が鎮座しています。菊花紋がついてますね。

スマートでカッコよな、二の鳥居。

大島は渡良三島の中で最も大きな島で、人口は約200人。
その産土社である当社も、最も立派な造りです。

隣には金比羅社。

お稲荷さんか、龍宮のような雰囲気ですが、

神奈備に登る太陽が彫られていますね。出雲の太陽の女神だ。
この山は、どこの山かな。

地元の古老さんの話が聞けると、面白いのかも知れません。

そういえば渡良三島ではほとんど狛犬を見かけず、ここに牛さんがいただけでした。



思いのほか、あっさりと港に着いてしまいました。
13:20の便に乗れてしまいます。

島散歩としては、個人的な感想では、原島が一番充実していました。
でも、長島の牛さんや、大島神社は、ぜひ訪ねたいところです。

その他、大島にはダブルビーチの「大島海水浴場」があり、きれいな貝殻の宝庫なんだそうです。

これまでもたくさん島旅してきたけど、やっぱりいいね島は。またすぐにでも、どこかの島へ旅立ちたい。

今日、僕の中に生まれた、淡い恋心のような気持ちも風に乗って、また次の島へと届くのだろうか。ね。
