もし君が隠岐・島前の西ノ島を訪れて、幸運にもその日が快晴だったなら、「摩天崖」には行くべきだろう。
なぜならそこは、「やさしさ」だけがある、天空の楽園なのだから。
西ノ島探索も少し時間が余ったので、当初予定にしていなかった、西部の国賀海岸(くにがかいがん)に行ってみることにしました。
そこにある「摩天崖」(まてんがい)は天空の楽園だそうな。ほうほう。
ほっそ~い山道をブイブイ車を走らせていたら、遠目に牛くんたちの姿が目に入りました。
牧草地に挟まれた細い道に車を止め、あたりに他車が来ていないことを確認し、カメラを持って撮影すること数分。
車に戻ってみれば、摩天崖から降りて来たであろうご夫婦の車が、僕の車の前で止まっています。
「す、すみませ~ん。すぐ車どけます」
「いいよ、いいよ~。ゆっくり写真撮って来なぁ~」
「えっ?あ、写真撮り終えたので、すぐどかします」
「もういいの?ゆっくり写真撮ってて良かったのに~。ゆっくり楽しんで、良い旅を~♪」
何この人、優しすぎて怖いんですけど。
そんな恐怖体験をし、たどり着いた摩天崖。
天国やった😇
今ならあのご主人の気持ちが分かります。
怒り、苛立ち、そんな感情が全て失われた”やさしさヘブン”が、ここにはありました。
摩天崖は隠岐特有の垂直に切り取ったような海抜257mの大絶壁。
その上部は放牧地になっていて、牛馬がのんびり草を食み暮らしています。
この摩天崖から下の海岸までの2.5kmほどの遊歩道は、「夕陽百選」や「一生に一度は訪れたい遊歩百選」に登録されています。
この道を降りるんかーぁ。
ツアーの人たちは下でバスが待ってくれるんでしょうけど、僕はキリコ号のとこまで戻らなあかんからな。
でも、馬さんに逢いた~い。アハハ、うふふ。
馬糞地雷を避けつつ、草原を駆け降りる中年のおっさん、五条桐彦。
牛さんはタグがついているので、飼い牛なのでしょうが、馬は野生かな。
大人の馬さんに混じって、1頭のウマ子がいました。ウマ娘。
と、おお?
おお~っっ!うっ、
うまぴょいっ!
いきなり僕に突進して来たウマ子に驚き、あわてて距離をとります。
何だというんだ、キミは。
するとウマ子はママ馬のところに去って行ったのですが、
ん?
おっ、
うっひゃ~っ!
またしても突進して来るのです。
どうやら、この子は遊んで欲しいらしい。
僕の隣でピタリと止まり、頭をふんふんしてきます。
可愛いウマ子にずきゅんどきゅんですが、キミたちはおさわり禁止なんだよねぇ。ざんねん。
後ろ髪をひかれつつも、見送るウマ子に別れを告げて、さて、元来た道を帰りますか。
摩天崖から下に降りてくると、ユネスコ世界ジオパークに登録された、隠岐を代表するダイナミックな景勝地「国賀海岸」があります。
ローソク岩といえば、隠岐・島後のものが有名ですが、島前にもありました。
その国賀海岸のローソク岩は、海上からは百済観音の姿にも見えることから「観音岩」とも呼ばれていますが、その岩を神体とするように鳥居が立っているのが見えます。
それが国賀神社。
やせいの ハイジョウケツが あらわれた!
岩の間に、ひっそりと祀られる神社ですが、祭神はよく分かりません。エビスさんかな。
100均のトレイのような扁額と素朴な鳥居。
社殿は壊れかけています。
亀岩や乙姫御殿と、龍宮を彷彿とさせる名称が並ぶ奇岩ですが、
何よりも一番の見どころは
岩の架け橋「通天橋」です。
日本海の激しい海食作用の為せる技ですが、見事なものですね。
国賀海岸と摩天崖、来て良かった。
過酷な現実世界で、心と体の汚れたおっさんは、こうして美しく優しい世界で、ほっこりしたのでした。うまぴょい。
さて、西ノ島ともお別れの時。
さらば、西ノ島。さらば、隠岐の島々よ。
思えば姫だらけで、天国のような島でした、隠岐は。
と、別れにひたっている暇はありません。
この旅のラスボス、ビッグイベントのためにカメラを構えます。
キタ――(゚∀゚)――!!
普段はなかなか間近で見ることのできない、美保神社飛地境内の「沖の御前」を通過します。
1200万年前に隆起してできた島で、この地域では一番古い土地と伝えられており、事代主が鯛釣りをしていたとされる伝説の聖地です。
美保の岬前に浮かぶのは「地の御前」。
かつては漁師が航海の目的に地蔵像を建てたため、別名「地蔵崎」とも呼ばれます。
そして、海から見る美保の郷。
クナトの大神様、ただいま帰りました。
アクシデントはあれど、旅は良きかな。旅は良きかな。
素晴らしい景色。お天気に恵まれて良かったですね。
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なんやかんやありましたが、結果的には最高の旅でした😊
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💚
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