藤憑祠:鶴岡南八幡神社

明治三十年頃、石見国大田町なる南八幡社の石崎社司が、境内の裏手にある石宮の台石が腐触したので、氏子の田原嘉惣兵衛なる石工を傭うて、台石の修繕をさせることにした。 その日、嘉惣兵衛は道具を携帯して八幡社へ行き、何気なく右の…

二ツ岩大明神:たぬカタリ case of 二ツ岩の団三郎

むか~し、むかしのぽんぽこぽん。佐渡の山から金がザックザックととれてたころな、島には100匹以上のムジナが棲んどったっちゃ。 中でも、盗賊から新町のおもや屋敷を守った源助ムジナ、 女に化けて船人をだましてからかう相川関の…

寒戸神社:たぬカタリ case of 関の寒戸

むか~し、むかしのぽんぽこぽん。 佐渡の島の関の入江に、一匹のぽんぽこ雌ムジナがおったっちゃ。 関のムジナは夜な夜な”お杉”ちゅう美しい娘に化けてな、入江にやってくる船男たちを騙しておったっちゃ。 「ちょいとそこのお兄さ…

皇大神宮(添田町)〜あの鳥居

朝起きたらヨゥ、雨上がりでヨゥ、ちょうどいいやってんで車走らせてヨゥ、福岡の添田町にある大藪峠ってところに行ったんだがヨゥ、 狙った通りのシチュエーション過ぎてヨゥ、 山ん中だし、怖かったヨゥ。 でもこんなに近い場所が聖…

👻 Halloweeeeeen party 🎃

今日はめずらしく暇だったので、 強そうなおばけを、一体製造した。 これ。 強そう。 かつては8人ほどいたスタッフも、今は僕一人なので、仲間を増やしている。 そしてハロウィーンなので、とても賑やか。 統一感は、ない。 だが…

伊豫稲荷神社

むかしむかし、明治の文明開化の頃のこと、一人の旅人が伊予国の、とある宿に泊まった。 浪人風情の旅人は、そこで病にかかり、熱を出して数日寝込んでしまった。 宿主の介抱もあり、旅人は元気を取り戻したが、さて思いもかけないこと…

鬼無里の鬼姫:常世ニ降ル花 紅葉寒月篇 03

さて、黒姫山というところに、戸隠の村々を荒らす、鬼武(おにたけ)とその盗賊団がいた。鬼武は紅葉の怪しげな噂を聞きつけ、子分らを引き連れて、紅葉の岩屋へと押し込んできた。 鬼武らが居間に上がり込むと、そこに紅葉がいた。官女…

柵村の鬼姫:常世ニ降ル花 紅葉寒月篇 02

かくして、京へとたどり着いた笹丸は伍輔(ごすけ)、菊世は花田、そして呉葉は紅葉と名を改めた。伍輔は細い元手で小物屋を営み、奥の部屋で紅葉に琴を教えさせることにした。紅葉の見目麗しさはすぐさま町の噂となり、その姿を一眼見よ…

戸隠山の鬼姫:常世ニ降ル花 紅葉寒月篇 01

世間に伝わる戸隠山の紅葉伝説にはいくつかの異同があるため、その中から正説を集めて、まとめてみようと思う。 清和天皇の御宇、貞観8年。伴善男は陰謀を企て、恐れ多くも応天門を放火した罪で、伊豆の孤島に流罪となった。奥州会津に…

蓑山大明神:たぬカタリ case of 屋島の太三郎

むか~し、むかしのぽんぽこぽん。 平安時代の終わり頃、讃岐の国の瀬戸内に、ぽっかり浮かぶ屋島の洞窟に、1匹のたぬきがすんどった。 たぬきがいつものように、ぶらぶらと散歩しとると、一本の矢がビュンと飛んできて、ぷすりとたぬ…

お松権現社

時は天和、貞享年間(1682~1686) 阿波国那賀郡加茂村は不作続きの年をむかえ、この村の庄屋・惣兵衛は村の窮状を救うため、私有の田地五反を担保に、近在の富豪・野上三左衛門よりお金を借り受けていた。 返済期限も近づき、…