
一関には、有名な二つの渓谷があります。
「厳美渓」(げんびけい)と「猊鼻渓」(げいびけい)、二つの個性的な渓谷を訪ねてみました。


【厳美渓】
厳美渓(げんびけい)を訪れての第一印象は、「わりと小さい」でした。

思ったほど規模は大きくなかったですが「高千穂峡」に似た「ポットホール」という、丸くえぐれた岩が数多く見られます。

が、ここで一番のお楽しみは何と言っても「空飛ぶだんご」で有名な「郭公だんご」。

対岸からカゴにお代を入れ木槌で板を叩きます。

するするとカゴが引っ張られ、

中にだんごが入って戻されるというシステム。

だんごが400円はやや高いと思いましたが、二人に一つで十分な、かなりのボリューム。
そして三つの味のそれぞれがとても美味で餅もやわらかです。
特に黒ごまあんの美味さは格別でした。

空飛ぶイベント抜きにしても食べる価値ありです。

もちろん、肝心の渓流を堪能して次へと進みます。


【猊鼻渓】
「厳美渓」から車で30分弱。

「猊鼻渓」(げいびけい)では壮大な渓谷を川下り(川上り?)で楽しみます。

平たい船を船頭さんが漕いで、川を上って下る旅。

目の前に広がる渓谷は首が痛くなるほど高く、壮大です。

登りはゆったりすすみます。

様々な名称の岩々を船頭さんが説明してくれました。

秋の空と色づいた岩肌のコンストラストが美しい。

途中にある「毘沙門洞」です。
奥に毘沙門天を祀ってあります。

舟はやがて目的地へ着きます。

ここで一旦舟を降り、砂利の洲を歩きます。

その奥には日本百景に選ばれた「獅子ヶ鼻」が待ってます。

橋を渡った先にある、

断崖絶壁に囲まれた、神秘的な空間。

日本百景「獅子ヶ鼻」です。

崖の真ん中あたりを見てもらうと、

崖から突き出た巨大な岩があります。

これはどう見ても鼻の形。
なるほど、獅子の鼻のようです。
そう、これが渓谷の名の由来の「大猊鼻岩」。
鼻息さえ感じられそうです。

目のような穴が対岸にあります。

ここに「運玉」を投げ入れ、見事穴に入れば願いが叶うといいます。

ところが対岸まではかなりの距離があり、そもそも僕の肩では届かせるのも困難。

しばし秋の涼を堪能して、再び舟へ。

帰り道には船頭さんが舟唄を歌ってくれました。

渓谷に響く唄声を聴きながら穏やかな風に吹かれ、ゆるゆると帰途につきました。
