
宮崎「都萬神社」のそばを流れる「一ツ瀬川」を上流に向かっていくと、いくつかの姫神を祀る神社があります。

そのひとつ、「速川神社」。
山道のカーブに面したところに参道入り口があるので、つい通り過ぎてしまいました。

車を停め、そこからぐいぐい下りていきます。

すると川下にコンクリートの橋がありました。

なんとも不思議な橋です。
増水時は間違いなく水没しているでしょう。

ふと横を見ると、鹿の家族がお出迎えしてくれました。

橋を渡ると、今度は対岸の山を、ぐいぐい登ります。

結構ハードです。

しかしこの参拝困難な神社も、訪れる人は少なくないそうです。

なぜならここは「一願成就」、一つだけお願い事を叶えてくれると知る人ぞ知る神社なのです。
受験生も多く訪れるようです。

速川神社創設の由来は、天孫「邇邇芸命」が新天地を目指して巡行されていた折、
お供の一人「瀬織津姫」(せおりつひめ)がこの速川の急流に足を取られて亡くなられますが、

深く悲しんだ邇邇芸命が瀬織津姫を弔って建てた小さな祠が始まりだそうです。
本殿奥の神域に滝がありました。

瀬織津姫の名は「古事記」「日本書紀」には出てきませんが、大祓詞に「速川の瀬に座す瀬織津比咩命」と出てきます。
穢れを祓う「災厄抜除」の女神とされます。

穢れを祓う「祓戸の神」は4柱ありますが、それらの神々は黄泉国から逃げてきたイザナギが禊を行った時に生まれた神と云います。

ここでは蛇神として祀られる瀬織津姫。
二本のロウソクと一包みの卵を添えて、お参りしました。
「一願成就」とはありますが、ただ瀬織津姫へのご挨拶とご冥福を祈りつつ、
山間に抜ける風と滝のせせらぎを感じて帰ってきました。

