
そこは緑の世界。
太古の息吹が眠る場所。

早朝車を走らせ、「白谷雲水峡」(しらたにうんすいきょう)を目指しました。
宮之浦から12km、標高600mの位置にある「白たえの滝」前に到着です。

日の出前の早朝ですが、受付はすでに開いてます。
気持ちよくご挨拶いただきました。

世界遺産でこそない白谷雲水峡ですが、ここほど美しい森はありません。

園内に入ると、いきなり大岩の上を歩かされます。
この岩の上が正式な順路となります。

すぐそばでは、岩の隙間を勢い良く水が流れる滝になっています。

岩を抜けると、通常の歩道になっていました。
そこに切株更新をした「二代杉」があります。

屋久島の生命力は力強い。
人に侵されても、立ち直るタフさがあります。
ただ、そうした屋久島の森も徐々に死に向かっているのも事実。
それほどに人の業は深いのです。

吊り橋で沢を渡り、対岸へと進みます。

白谷雲水峡は霧島屋久国立公園、世界自然遺産の範囲外にあります。
しかし逆に森林を比較的容易に鑑賞できるよう林野庁の定める自然休養林に指定されていて、ある程度の遊歩道などが整備されています。

ここからが勾配のきつい、山道となってきます。

鬱蒼とした森。

この辺は屋久鹿に会いやすいポイントです。

苔むした、いい雰囲気の岩の谷があります。

8年前の来島では、ここに一瞬、数十秒ほどでしたが光が差し込み、うっとりとする光景を僕に見せてくれました。
妖精でも現れそうな光景です。

屋久島の森は、前回も今回も、いつもあたたかなギフトを用意して、僕を迎え入れてくれます。

そして延々と歩き続けると、

渓流があります。
この今歩いている順路「楠川歩道」(くすがわほどう)は数百年の歴史ある歩道となっています。
そしてこの先の景色が素晴らしい。

果てしなく奥まで続く渓流。
木々の造形といい、岩の隙間を流れる清流といい、完璧な構図です。
この景色、実は僕が屋久島で、一番好きな光景です。
散ったエゴノキの白い花が、まるで寄り添うこだまのようです。

広角で撮ってみました。

反対側です。


楠川歩道は江戸時代から残る歩道です。

屋久杉を切り出し、運び出すために作られた道と云います。

そこには長い年月を経て創られた、緑の世界が広がります。

カメラを構える人たちにとっては、全てがシャッターチャンス。
しかし誤って、入ってはいけない場所まで立ち入らないよう、節度が求められます。

遠くに看板が見えます。

「くぐり杉」、倒木の上に大樹が育ち、後に倒木が朽ちた姿です。

中をくぐれるようになっていますが、前回の訪問でガイドさんはくぐるのを遠慮していました。
おそらく根を踏み、樹木を弱らせてしまうことを懸念してのことでしょう。

なので僕も今回はくぐらず、根を踏まないように気をつけました。

切株更新をしている「シカの宿」という切り株がありました。

平成25年に新たに命名された屋久杉で、当時小学5年生の子が、シカの雨宿りする姿をイメージしたそうです。

風格のある杉が立っています。

白谷雲水峡で最大クラスの大杉、「七本杉」です。

幹周りは8.3mあり、まっすぐで見事な屋久杉ですが、背は18mとさほど高くありません。
強風で損なわれた主幹の上端をおぎなうように、上部の七本の枝が立ち上がって日照を確保しています。

台風常襲地帯にありながら、倒れることなく長寿を保っている、屋久杉のたくましい姿です。
ヤクグルマ、ナナカマドなど多くの植物の着生を許しています。
そしてここから先は更に、緑が深く濃くなっていくのです。
