
筑後川の花火大会でも有名な久留米の「水天宮」で、8月15日に流し灯籠があります。

久留米の水天宮は全国にある水天宮の総本宮になります。

御祭神は「天御中主神」(あめのみなかぬしのかみ)や「安徳天皇」などになります。
安徳天皇と言えば源平合戦の折、壇ノ浦で幼くして激流に身を投じた哀しき天皇です。

水天宮は安徳天皇の母「高倉平中宮」(たかくらたいらのちゅうぐう)に仕えていた「伊勢」がこの地に逃れてきて、初めて水天宮を祀ったことに始まります。

伊勢は剃髪して、のちに名を「千代」と改めました。
千代は里人に請われるままに加持祈祷を行いましたが、次第に霊験あらたかであると評判になったそうです。

水天宮は寒い季節には数々の種類豊富な椿が咲き乱れることでも有名です。

張りつめた空気の中、凛と咲く花が美しいです。

本殿裏手には「彌都波能売神」(みつはのめのかみ)を祀る「水神社」があります。
その前には

とても愛嬌のある「肥前狛犬」が鎮座します。

自分の痛いところと同じ場所を撫でると痛みがとれるそうです。

境内から川岸に降りると、大らかな筑後川が流れています。

川に、ゆっくりと灯籠が流れていきます。

8月15日の夕刻に、あの世へと帰っていくご先祖様を供養しお見送りする流し灯籠。

日もゆっくり暮れていきます。

カラフルな灯籠には、故人と自分の名前が書き込まれ、また故人へのメッセージも綴られています。

日が暮れるにつれ風も流れ始め、沢山の灯籠が動き始めました。

それぞれの故人が並んで帰っていくようです。

それは儚く、

美しい光景でした。

僕にはまだ、見送る人はいませんが、

ご先祖様を偲ばせていただきました。

日は完全に暮れ、灯籠の明かりが一層輝きます。

祈るように、僕もしばらくの間灯籠を眺めていました。

