大津の街にある、ひときわ鮮やかな朱色の楼門。
あのコミックでも有名なそこは「近江神宮」(おうみじんぐう)です。
そこはかとなく風流な手水舎で手口を清めます。
楼門への石段を一歩ずつ上るたびに、なんとも清々しい気持ちになっていきます。
近江神宮は飛鳥よりこの地に都を遷宮した第38代天智天皇が御祭神です。
天智天皇の詠んだ「秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ」は百人一首の第一番の歌として選出されています。
ゆえに近江神宮は「かるたの殿堂」と呼ばれるようになりました。
創建は比較的新しく、昭和15年になります。
威風堂々とした外拝殿です。
早朝のせいか、清浄な空気に包まれる境内はとても気持ちよいです。
「ちはやふる」の登場人物たちもこんな感じで参拝していたのでしょう。
外拝殿内に入ると広い砂州の庭があり、
静謐な内拝殿が望めます。
新しい神社ではありますが、十分に神聖さを感じる場所となっています。
外拝殿内には横へと続く道があり、朝の光が差し込んでいました。
その先にあるのは「栖松遥拝殿」(せいしょうようはいでん)というところでした。
かつて高松宮家の邸内社・御霊殿として有栖川宮家以来の御霊を祀っていた建物が、高松宮家廃止にともない、平成18年近江神宮に移築されたそうです。
遙拝式はここで行われているということです。
手前に鎮座する磐座が印象的でした。
近江神宮では毎年百人一首の大会の名人戦とクイーン戦が行われています。
想像以上に激しいと思われるその大会のクライマックスにふさわしい場所です。
また天智天皇のは日本初の時計の創始者らしく、時計にまつわる神社としても権威あるようです。
風流な時と歌に包まれる、そんなロマンティックな神社でした。