
青森旅路の最後は「青森市発祥の地」と言われる「善知鳥神社」(うとうじんじゃ)にやってきました。

善知鳥神社は青森の中心地、安方にあります。

創建の伝説は古く、第19代允恭天皇の時代にまで遡ります。
陸奥国の外ヶ浜という地に、勅勘を受けた善知鳥中納言安方が住むようになり、やがて宗像三女神を祀る祠を建てたのが始まりとされます。

その後、安方が亡くなると、どこからともなく見慣れぬ鳥が飛んできて、親鳥が「ウトウ」と鳴くと、雛鳥が「ヤスカタ」と鳴きます。
そのことからその鳥は安方の魂が変化したものであり、“善知鳥”という名が付けられたとされます。

越中国立山で一人の僧が、猟師の亡霊と出会いました。
亡霊は陸奥国外ヶ浜にいる妻子に自分の供養をして欲しいと蓑笠と着物の片袖を僧に渡します。

僧は外ヶ浜を訪ね、妻子と共に供養を行うと、再び猟師の亡霊が現れました。
生前、猟師は善知鳥を捕らえて生計を立てていました。
親鳥が「ウトウ」と鳴くと雛鳥が「ヤスカタ」と鳴くのを利用して、親鳥の鳴き真似をして雛を捕っていたといいます。

生きるためとは言え、その報いで猟師は地獄に堕ち、善知鳥に毎日突かれ責め苛まれ続けていると訴えます。
猟師は我が子の元へ歩み寄ろうとしますが、己の罪深さ故か、姿を捉えることが出来ず消えてしまうのです。

この話が能や謡曲に歌われる「善知鳥」のあらすじです。

善知鳥神社では市杵島姫命・多岐津姫命・多紀理姫命の宗像三女神を主祭神として祀っていました。
こんな東北の果てで宗像三女神が祀られているのはびっくりです。

境内には「龍神之水」という御神水もあります。

赤い太鼓橋の先には「弁財天宮」もあります。

弁財天宮は美しい沼に浮かんでます。

「うとう沼」です。

善知鳥という鳥は、猟師が雛鳥を捕獲すると、親鳥は血の雨のような涙を流していつまでも飛びまわるという言い伝えがあります。
そのために捕獲の際には蓑笠が必要とされたそうです。

色々と思いめぐらす青森の旅も、この小さな神社でおしまいですが、東北の旅自体はまだまだ続きます。
日本はほんとうに素晴らしいところがたくさん、あるものです。

