
かつて「鵺」(ぬえ)という化け物がいました。
頭は猿、身体は狸、手足は虎、尾は蛇という妖怪です。
夜な夜な御所の上空に現れ、天皇はその障気で体調を崩しました。
それを見事に退治したのが源頼光の子孫である源頼政。
頼政は弓矢をもって退治したと云います

その死骸を舟に乗せて流したところ、最終的に行き着いたのが芦屋の浜。
鵺の死骸がここに漂着したと記しているのは「平家物語」です。

芦屋の浜に打ち上げられた鵺の死骸はここで祟りを起こし、悪疫をまき散らします。
村の人々は祟りを恐れて、鵺の死骸を丁寧に葬りましたが、それがこの「芦屋鵺塚」(あしやぬえづか)だと云います。

大きな公園の隅に忘れ去られたようにある芦屋鵺塚ですが、芦屋の浜から他所へ鵺が流れ着いたという話はないそうで、
ということは鵺はここに、本当に埋められたままなのかもしれません。