
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に
八重垣作る その八重垣を

苦難の旅の末、辿り着いた国「出雲」。
スサノオはそこで暴れるヤマタノオロチを征伐し、美しい娘クシナダヒメを救い出します。

クシナダヒメを妻に迎えたスサノオは、二人で暮らすための土地を探しました。
とある場所に至った時、スサノオは「ああ、ここはなんとすがすがしいところか」、
思わずそうもらした場所が「須我」(すが)となりました。

ここにある「須我神社」はスサノオが新居を構えたところであり、日本で初の宮となったと云うことです。

風格のある社殿は古のロマンスを感じさせます。

この絵馬に注目です。
冒頭の和歌を歌うシーン。
足元に大きな岩のようなものが描かれています。

この大岩は神社裏手の「八雲山」にあります。
「須我神社」から車で10分ほどで登山口まで行けます。

さらに徒歩で登ること10分。

「須我神社」の奥宮にたどり着きます。
そこに待っているのは、

大きな磐座。

夫婦と子の三つの大きな岩が、そこは特別な聖域であると主張するように鎮座しています。

この磐座は東出雲王家の重要な聖地「熊野大社」の背後にある八雲山に鎮座します。

おそらくここも、出雲王の遺体を埋めた磐座ではないでしょうか。
しかも古代出雲族が大切にした、夫婦と子の形を成しています。
初代王「菅之八耳」が眠っていたとしても不思議ではない、そんな聖地です。

このような素晴らしい聖地が穢されぬよう、幾重にも重なる雲の垣根で、包み隠してほしいものです。

