天上山:白島篇

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グッモーニン、神津島。
二日目の、とても爽やかな朝を迎えました。

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さて、向かいますか、天上山(てんじょうざん)へ。

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天上山へは、「白島登山口」と「黒島登山口」の二つがあります。

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黒島登山口の方が宿からわずかに近かったので、そちらから登る予定にしていましたが、前日の夜に「白から登ったらすぐですよ~♪」と天女さんからお告げがあったので、白島登山口から登ることにしました。

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いざ出発!

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すぐに1合目の標識がありました。
ほう、ちょろいな。

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しかし道はどんどん険しくなっていきます。

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2合目到達。

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道、せまっ!

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途中で「那智堂~つづき堂」のトレッキングコースとの分岐があります。

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3合目、ヒ~きつい。

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お不動様の鳥居がありました。

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白島登山道では、随所にこのような石像が祀られています。

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いやー、もう道、草で隠れてますけどー。怖いし。

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足元に蛇さんがいないか注意しつつ、恐々と登っていきます。実際いらっしゃいましたけどね。

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4合目到達。
全然楽勝じゃないじゃん。天女さんの嘘つきー!

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まあ、思えば天上山はこんな山(イメージ図)なわけです。
崖をよじ登る様な道筋なわけよ。

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天女さん、マジマンジ。
油断した自分を呪いつつ、登ってゆくわけですが、5合目あたりからなだらかな道が増えてきました。

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ああ、優しい木漏れ日が。
自然さん、こんなツンとデレをされてしまったら、好きになっちゃいますよ僕は。

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山土さん、ちわっす。

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と、あれっ?なんか車道と駐車スペースのある場所に出てしまいました。

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すると、ここにも「白島登山口」の標識があるではないですか!
がーん、天女さんがお告げってたのは、ここだったのね。

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そう、白山登山道6合目までは、狭い山道ながら舗装された道を車で来ることができるのです。
そういや、そんなこと言ってたなー天女さん。。

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まさか白島登山口が二つあろうとは、恐ろしいトラップ。

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しかし下から登ってきた努力も、無駄ではないはず。きっと。

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うお~っ!

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悔しさをバネに、青春ダッシュで駆け上がると、

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ッパねえ景色が、

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そこにありました。

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えっ、ここは天国?

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僕は今まで、天国への階段を登っていたのか。

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海の上には恩馳島(おんばせじま)が浮かんでいます。
黒曜石の島だそうです。

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もう一息なんじゃ~っ。

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そこか、そこが出口なのか!

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きたー!やったー!
でも、真の山頂は、目の前のあの先だーっ!

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天上山は、僕の登ってきた白島登山口からだと90分くらい、天女さんがお告げった白島登山口からだと25分くらいかかりました。
黒島登山口からだと60分くらいだそうです。

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しかし天上山は、登ってからが長い時間が必要な山です。山頂部は比較的に平坦で、さまざまな見どころがあります。

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山頂付近から西南西に向けて神津沢の谷がえぐられており、これによって西斜面は黒島(南)と白島(北)の2つに大きく分けられています。
ざっと主なところを見て回ると、山頂部だけで3時間以上かかります。

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白島登山道を登りきって10合目に当たる場所が、聖域「不入が沢」(はいらないがさわ)です。

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砂地の、一見なんでもない場所のようですが、前浜のモニュメントにあった「水配り神話」の舞台がここです。
当時、この地には満々と水を湛えた池があり、その水の分配をめぐって、神々が集まって話し合いをした場所だといわれています。

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ところが集合時間になっても伊豆諸島の神々が集まらないため、先着順で水を配分することになりました。
最初にやってきたのは御蔵島の神様。次いで新島・八丈島。三番目に三宅島、四番目に大島の神様がやってきました。
水がほとんどなくなった最後に来たのが利島の神様でした。怒った利島の神様は池に飛び込み、その水が飛び散ったことで、神津ではあちこちから湧き水が出るようになったということです。

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ここは神聖な場所であるので、「この沢に人入るべからず」との言い伝えが残されています。

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地元古老の話で、ここは雨乞いの聖地であるとも伺っております。
こうしてみると、どことなく勾玉のような形をしているなと、感じました。

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また海上には、恩馳島も見えています。

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さて空中散歩を楽しみましょう。

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不入が沢から時計回りに歩いていきます。

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雄大な自然。

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これはカルスト台地になるのでしょうか。

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草にまみれて、歩いていきます。蛇さん出ないで~。

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するときれいな池に出ました。

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きれいだけど、「ババア池」です。

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その昔、島のおばあさんたちが、正月用の榊の葉を採りによく来たことから名付けられたそうですが、ネーミングセンス。。

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この池は枯れていることも多いのですが、2日前の雨のおかげで、水を湛えていました。
こうしてみると、ババア池も勾玉の形をしています。

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ススキが穂を垂らしています。

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天上山は不思議なところで、標高500m程度の山であるにもかかわらず、2000m級の山に植生する高山植物が咲くのだそうです。

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まさに神に愛された島。

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景観もさまざまで、緑に覆われた大地もあれば、白い山肌を見せる断崖もあります。

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眼下に祇苗島(ただなえじま)が見えました。「陸の祇苗島」と「沖の祇苗島」の二つの島からなるこの島は、海鳥の繁殖地として知られ、また沖の祇苗島には明確な巨大化を示すシマヘビの島嶼個体群が生息しているとのことです。伊豆諸島に棲息するシマヘビは、30~60万年前には島に分布していたこともわかっています。

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さて、不入が沢からのんびり1時間ほど歩いてきて、天上山最大の名所「不動池」まであと少しとなりましたが、その前に「天空の丘」へ足を向けてみます。

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あれかー。

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てくてく登って、辿り着きました。

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我が視界をさえぎるものは何もない!

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見よ、これが天空の丘の絶景だ!ワーハハハハハハっ!!

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いやぁ、天気が良いね。
最高じゃん。

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天上山はどこを切り取っても絶景です。
天空の丘は風がめちゃくちゃ吹いていて、汗ばんだ体に心地よかったです。

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さて、砂地の道を少しばかり歩いて、

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小高い丘に登れば、あの聖地が見えていたのでした。

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