
「比波預天神社」(ひはよてんじんじゃ)は、伊豆半島の伊東市宇佐美の市街地から、狭い坂道を駆け上ったところにありました。

由緒によれば、延喜式神明帳にある田方郡「加理波夜須多祁比波預命神社」(かりはやすたきひはよのみことじんじゃ)に比定されるとのことで、江戸時代には「留田天神社」と呼ばれていたそうです。

祭神は「加理波夜須多祁比波預」(かりはやすたけひはよ)で、菅原道眞を配祀します。

主祭神は「三島溝橛耳神」の長子と伝えられ、上代海上より上陸し、当地を開拓した宇佐美の氏神として祀られてきたとのこと。
さらに比波預命の孫「多祁美加々」より五代後の「伊波磯」は、伊豆国忌部であるといいます。
やはり三島と忌部は繋がるのか。
しかしマックイーンさん曰く、「それにしては質素に過ぎないか?という境内。三島神紋も無い」とのこと。確かに。

また、祭神は、加理波夜須多祁比波預の波夜須から天速日命や熯速日命とする異説もあります。
ただ、中世以来、白川家系の北山家が神職を勤めて来たこと、境内社に大山祇、風神が祀られていること、地名が宇佐美であることなどを考えれば、やはり阿波・三島系である可能性が高いように思えます。

こちらの境内社が大山祇を祀る山神社と、宇佐美地区内で唯一、風神が祀られる社となっています。

ところで、この比波預天神社には幹周690cmの全国第一位を誇るホルトの木があると言う話なのですが、

小高い木はあるものの、それらしきは見当たりません。
実はこの木は、2020年10月に幹が枯死し、半分が崩落し、残った半分を剪定して延命措置を取っていたそうですが、2023年3月27日に完全に倒れてしまったそうです。

命はいつか果てる定めではありますが、まことに残念です。

narisawa110
漢字とは不思議なものです。
ヒバス、とも一見すると読めてしまう不思議。
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ここはタケミナカタが三島の人だと伝えていると、例の人がおっしゃっていましたが。
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